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A side
車から降りても、一応今は本来仕事をしてなきゃいけない時間帯。
だから、繋ぎたくても手だって繋げない。
「零、れーい。」
「なんだ？」
「呼んでみただけー。」
「…そうか。」
いつもなら『用もないのに呼ぶな』とか言うくせに、頬を緩めながらそう言った零は、珍しくプライベートモードなのかもしれない。
零の一歩後ろを歩いていれば、落ち着いた雰囲気のお店へと零が入っていく。
ん…？この店の服、私の想像してたキャバ嬢とだいぶ雰囲気違くない…？
店内に並べられている服はどれも、エレガントでフェミニンな女性らしい服、ガーリーな女の子らしい服が置いてあるような場所で、とてもじゃないけどお水の女が買うような服は置いていなさそうだ。
「…相手方の趣味が、こういう服なの？」
「違うが？」
「え？じゃあ何。寄り道？」
「見たこともないジジイの好みの服よりまず、俺の好みの服を着ろ。
俺が選ぶから。」
「…え、うん？」
未だに脳内ハテナマークだらけの私を放って、零はもう既に洋服を数着手に持っていた。
「コレ、着てみろ。その次はこれ、その次は…」
どんどんと目の前に出来ていく洋服の山。
元々服に興味なんて無かった私のクローゼットに持ち合わせている服よりも多い量の服が積み上げられていく。
終いには零の言う通りに一通り全ての服を着させられ、店員にお世辞にしか聞こえないような褒め言葉をかけられ、ヘトヘトになったところでようやく試着が終了した。
「ここの、全部頼む。」
椅子に座って伸びている私の耳に入ってくるのは、零の衝撃の一言。
「ハァッ？！ちょ、待て。私給料日前！！」
「あぁ。俺が払うから問題ない。」
「…え？なんで？」
「なんでって、お前に払わせるわけにはいかないだろうが。」
よくわからない…けどまぁ、財布のピンチを免れたことだし、良しとしよう。
両手に袋を持った零と対象に、私が持っているのはイヤリングやらの小物しか入っていない軽い袋１つ。
こういうところも、ムカつくんだ。
いっつも気付かないくらい細かいところで優しさを見せるところも。
まぁ、私はいつも気付くけどね？
良い彼氏様だわ。
「れーい！」
「ん？なんだ？」
「…ありがとう。」
「お前、素直だと気持ち悪いのな。」
前言撤回。
ただのクソゴリラでした。
．
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いちごって美味しいよね - あっさんさん» すみませんでした！うっかり見落としていて…。教えてくださって本当にありがとうございます！ (2018年8月6日 23時) (
レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
いちごって美味しいよね - ういさん» 感動していただけたことに感動です！！恋愛って自分が思ってるより、案外難しいんですよね…。応援よろしくお願いします！ (2018年8月6日 23時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
うい - 少し泣ける所もありました。感動です！ 恋愛って難しいですね。 次の更新楽しみにしてます (2018年8月2日 23時) (レス) id: ab4f966f00 (このIDを非表示/違反報告)
あっさん(プロフ) - こんにちは、すごく面白そうで見てみようと思ったのですが主人公の名前変えられる様にしてもらえないでしょうか、、汗 (2018年8月1日 1時) (レス) id: dd857b1956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごって美味しいよね | 作成日時：2018年7月28日 0時
