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降谷 side
本当に、勘弁してもらいたい。
A、無防備すぎないか?
俺の前でFBIの洋画を見るわ、男の車に乗せてもらうわ、自分からからかって来るくせにすぐ赤くなるわ…。
上げていくときりのないAの無防備さを頭に思い浮かべる。
第一、あの格好は大問題だ。
キャミソールに短パンって…、俺を舐めてんのか?コイツ。
俺だって男だ。狼になる時だってある。
それなのにAは…、正直言ってスタイルの良い体を惜しげもなく披露しているのだ。
「…はぁ。」
これは溜息だって吐きたくなる。
それに、俺の暇を暇じゃ無くしてくれる面白い奴だって風呂に入ってまだ上がってこない。
女の風呂って本当に長いんだな。
日頃の疲れも溜まってかだんだんと重くなってくる瞼は、決して不愉快なものでなかったから、ドンドンと瞼が落ちていった。
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頭を撫でられる感覚。
バッと起き上がり、その手を掴み組み敷く。
「ちょっ、零!!私!!犯罪者扱いはやめてーーー!!!」
「ん…?あぁ、なんだ、Aか。」
自分が警戒をした相手がAであったことに安心感を覚えて、一気に体の力が抜ける。
「れーい!!重い!!ベッドいこう?ね?」
「もうちょっと…。」
「馬鹿野郎!!私が圧迫死する!!おいゴリラ!どけよ!!」
本当にAの声が苦しそうになって来たところで、Aの体を解放してやると、深呼吸を繰り返すA。
コイツ、失礼じゃないか?
彼氏にゴリラゴリラ言うわ
彼氏に重い重い言うわ…。
まだ呼吸を整えているAを、早く眠りにつきたい一心で俵を担ぐように肩に乗せて運んだ。
「っ零!!後で重いとか言うんだから早く下ろせ!!」
「そんな柔な鍛え方はしてないから大丈夫だ。なんならお前をあと二分の一人分なら持てるな。」
「何だよそれ、減ってんじゃねぇか。私はそんなに重いか?あ?」
「嘘だわ、そんぐらい分かれ、阿保。」
ジタバタするのをやめたAをベッドにゆっくりと寝かせて、自分も隣に寝る。
勿論Aを抱き締めながら。
「あのね、零。」
「…ん?」
「風呂場、零の匂いしてね、何か分かんないけど、幸せだった。」
Aは眠くなったのか、風呂の感想をつらつらと述べてから、あっという間に夢の国に入っていった。
って待て。俺が寝れない。
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と思った数分後にはAの頭に顔を埋めて眠りについていた。
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いちごって美味しいよね - あっさんさん» すみませんでした!うっかり見落としていて…。教えてくださって本当にありがとうございます! (2018年8月6日 23時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
いちごって美味しいよね - ういさん» 感動していただけたことに感動です!!恋愛って自分が思ってるより、案外難しいんですよね…。応援よろしくお願いします! (2018年8月6日 23時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
うい - 少し泣ける所もありました。感動です! 恋愛って難しいですね。 次の更新楽しみにしてます (2018年8月2日 23時) (レス) id: ab4f966f00 (このIDを非表示/違反報告)
あっさん(プロフ) - こんにちは、すごく面白そうで見てみようと思ったのですが主人公の名前変えられる様にしてもらえないでしょうか、、汗 (2018年8月1日 1時) (レス) id: dd857b1956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごって美味しいよね | 作成日時:2018年7月28日 0時