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A side






今、自分のマンションの前に立っている。

でも、さっき気付いたことがあるのだ。


➀零に合鍵渡してない。
➁まず零は忙しいはず。
➂私に説教する暇があれば寝てるはず。


それに、私の部屋の電気も付いていない。


これは…、勝ったんじゃないか?

このままグースカ寝ちゃえばこっちのモンなんじゃないか?



ルンルン気分で足取り軽く自分の部屋のドアの前で鍵を開ける。

オートロック付きのマンションだから、零も流石にピッキングは出来ないはずだ。



ガチャリとドアを開けて玄関に入っても、人のいる気配はない。

むしろ、1人で寂しいくらいだ。



「…ただいまー!」


ほんの少しだけ零がいるかも…、なんて淡い期待を抱いていた自分を隠すべく、いつもは言わない「ただいま」なんて言葉を部屋にこだますくらいに声を張り上げて言った。


返事なんてなく、肩をそっと落としながらリビングに入って電気のスイッチをパチっと押した。



「ぎィやァァァァッ!!!!
なんで?!なんでいるの!!零!!」

「A、うるさい。震えてる暇があるならこっちに来い。」


零の威圧感に気圧されながらも、風見さんが『俺の冤罪を晴らしてこい』と言っていたのを思い出し、必死に弁解を試みる。


「あのね!零、その…。」

「なんだA。いつもみたいにハッキリ言ったらどうだ?」

「…風見さんは悪くありませんッ!!!」

「……。まずソコ…?」

「うん!!風見さんには恩があるから!!」


目を点にして驚く零に束の間安心するも、そんなのはそうめんよりも脆くて、すぐに零の額には青筋が浮かぶ。


「A。何故俺を頼らなかった…?」

「え、零。ヤキモチ?やだな〜、私は皆のも の…って最後まで言わせろよ!!」


勢いよく零に壁ドンのはずなのに胸キュン度0%の壁ドンをされて、遮られる。

壁に穴開くからやめろよ!ゴリラ!!!


「誰が言わせるか。お前は今は俺のモンになったんだろうが。」

「あ、そういやそうだったな。」


思い出したようにそう言えば明らかにご立腹の零。


「ほぅ。お前、まだ自覚してなかったのか。そうか、そうか。じゃあ自覚させてやろうか?」

「いやいやいやいやっ!!この流れでこれはね?おかしいよ!!ね?考え直してくれ、降谷くん。」


明らかに私のワイシャツのボタンを外そうとしていた零の手を押さえつけると不満そうな零の顔。






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いちごって美味しいよね - あっさんさん» すみませんでした!うっかり見落としていて…。教えてくださって本当にありがとうございます! (2018年8月6日 23時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
いちごって美味しいよね - ういさん» 感動していただけたことに感動です!!恋愛って自分が思ってるより、案外難しいんですよね…。応援よろしくお願いします! (2018年8月6日 23時) (レス) id: 9e74247a01 (このIDを非表示/違反報告)
うい - 少し泣ける所もありました。感動です! 恋愛って難しいですね。 次の更新楽しみにしてます (2018年8月2日 23時) (レス) id: ab4f966f00 (このIDを非表示/違反報告)
あっさん(プロフ) - こんにちは、すごく面白そうで見てみようと思ったのですが主人公の名前変えられる様にしてもらえないでしょうか、、汗 (2018年8月1日 1時) (レス) id: dd857b1956 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごって美味しいよね | 作成日時:2018年7月28日 0時

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