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Epilogue 5 ページ5

A side






まさか、零でもないのにあんな大胆なことが自分に出来るなんて思ってもみなかった。

という訳で只今絶賛赤面中。


「いやぁ、A。お前も大胆になったな。
まさかそこまで俺がいないのが寂しかったとはな…。」

「ねぇ、零。そんな嬉しそうに言わないで。今、恥ずか死にそうなんだからさ!!」

「あ、ほんとだ。顔真っ赤。」


私の顔を覗き込んでくるこの計算高い金髪イケメンは、ふんわりと微笑んだ後私の頭をぽんぽんっと撫でて隣に置いてある椅子に座った。


「ねぇ、零…。」

「なんだ?」

「呼んでみただけー。」

「なんだ、そりゃ。」


くすくすと笑い合うこの時間がとてつもなく楽しい。
あの時の私は、どうして1人でも大丈夫だと思ったのだろうか。コイツのいない世界で、生きていこうと思えたのだろうか。


「なぁ、A…。」

「なーに?」

「呼んでみただけだ。」

「真似すんな、ゴリラ。」


零の笑顔が見れて、私は今こんなにも幸せなのに。


「ほら、そろそろ行かなきゃ。
公安部のエースは大忙しでしょ?」

「…そんなことない。」

「今の間はなに、今の間は!!ほら、早く行っていって!!」

「俺はまだAといたい。」

「風見さん、困らせないでよ。零くん。」


『風見さん』のワードでようやく動き出す零は、どうかと思う。
普通はさ、“彼女が応援してくれてる!よし、やるぞ!”ってなるもんじゃないの?ねぇ。


「無理はすんなよ?それと、しっかり眠れ。いいな?」

「その言葉、そっくりそのままお返しします。」

「ははっ、確かにそうだな。じゃ、いい子にしてろよ?」

「私は幼稚園生かよ。」

「それでもいいな。絶対かわいいだろ?」

「うるさいうるさい!!早く行ってー!」

「はいはい、じゃあな。また明日の夜来るから。」


手を振って、零を見送る。
組織が壊滅したおかげで零の仕事は確実に減ったはずなのに、何故なのか労働量は変わっていない。
なんでだ、エースってそんなに忙しいもんか?!


消えない疑問を無理に拭って、リハビリで使った体力を取り戻すために深い眠りについた。





.

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作者名:いちごって美味しいよね | 作成日時:2018年11月4日 2時

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