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A side
コンコンッとドアを上品にノックされた音で、私は目を覚ました。
緊張しているのもあるんだろうが、何よりも心配だった。
赤井に送った最後のメールに打った、暗号を解読してくれているか。
元々頭の強くない私の考えた暗号なんて、コナンくんと赤井なら簡単に解読できる。
そう自分を励まし続けても、やっぱり不安は消えない。
今回組織を取り押さえるのにはFBIの協力が必要不可欠で、FBIだけでは足りないかもしれないとも懸念していたくらいなのに…。彼らの協力無くして私がその場を生き延びられる保証はないに等しい。
生き延びて、また零の元へ戻ろうだなんてそんな調子のいい事は思ってない。
あれだけ酷いことを言って、零を突き放したんだ。今更戻れない。
でも…、そんな私でさえもきっと、アンタは受け止めちゃう。
だって、優しいから。
作戦についてを頭の中で往復して確かめながら、予め用意しておいた黒のタイトなスーツへと着替える。
ジャケットをふわりと肩にかけ、腕を通してから、内側の胸ポケットに大切な思い出の詰まったスマートフォンと、
「お待たせ、行こう……。ベル。」
「いえ、大丈夫よ。仮眠は取ったの？」
「うん、取った。それにしても…幹部全員呼び集めるなんてね？」
「あぁ、そのことならあの方から聞いてるわ。
会議 兼 取引ってことらしいわ。」
「え、それ、私に言っていいやつ…？」
「貴方なら構わないでしょ。」
パチリとウィンクをするベルに、私は少なくとも好意を抱いてしまっていた。
ジンが私に銃を突きつけた時も、ベルだけがその場で私の肩を持ってくれた。だからこそ、あの方も私を救ってくださったんだろう。
そんなベルを、ずっと騙し欺き、そして今から裏切る…。
まだ入る前は組織側にも何かしらの正義があるのかもしれない、と思ったが、入った後によく分かった。自分達の利益のためだけに動くような組織に正義など欠片もなかった。ほんの微塵も。
「あら、どうしたの？アス。とても…苦しそうだわ。」
「ううん、大丈夫。ちょっと昔のことを思い出してただけ。」
『貴方の事で悩んでたの』なんて言える訳もなく、私は平気な顔をして嘘をついた。
ベル、今日で、今回で最後にさせて。
貴方への………嘘は。
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いちごって美味しいよね - レイナさん» ありまぁ…、全く気が付きませんでした…。ご丁寧にありがとうございます！ (2019年2月2日 23時) (
レス) id: e4cb51c86f (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 題名の愛してるが愛ししてるになってますよ~ (2019年2月1日 3時) (レス) id: 43b7c4b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごって美味しいよね | 作成日時：2018年8月20日 13時
