検索窓
今日:17 hit、昨日:14 hit、合計:214,260 hit

count 90 ページ41

コナン side






「消したよ。Aの写真は、消した。」

「え?」

「だから、持っていないんだよ。」


安室さんの言葉に耳を疑った。
だって、恋人(元だけど)の写真を1枚も持っていないなんて、有り得るんだろうか。


「僕は仕事上、アイツの写真は極力データに残しておきたくないんだ。もちろん、家にもね。
コナンくん、君ならこの意味、分かってくれるだろう?」

「…そっか。ごめんなさい安室さん。」

「いいんだよ。…取り戻せばいい話だ。」

「…そうだね。」


悲しい瞳をした後に決意の色を滲ませるこの人は、本当に強い人だと思う。

それでも、やっぱりAさんが無事なのかも分からない今は不安が隠しきれていないようだった。
証拠に、いつもなら俺に合わせてくれる歩調は大分速くて着いていくので精一杯だ。



だけど今の安室さんの勢いを削ぐようなことはしたくなかったから小走りになりながらもついて行った。







その速い歩調のまましばらく歩き、勝手知ったる工藤邸へと着いたが…、安室さんは未だに赤井さんに心を開いていないようで今にも殴りかかるんじゃないか、というような睨みを効かせている。


「安室くん、そんな露骨に態度に出すことはないだろう?」

「すみませんね。僕になんの知らせも無しに貴方は彼女の声を聞いているんだと思うと、どうしてもこうせずにはいられなくて。
こう見えて僕、結構独占欲が強いんですよ。」

「安心しろ、安室くん。君は十分独占欲が強そうに見えているからな。」

「ッ!!何だとっ、赤井!!!」



赤井さんは頭が切れるクセに、変なところで空気が読めないのが玉に瑕だ。


今だって赤井さんのうっかり(してるつもりは無いんだろうけど…)発言のせいで安室さんの怒りがヒートアップしてしまったし。

この2人ならどんな状況でも生き残れそうだ。
あの、「俺がお前を殺すから、絶対にここで死ぬな」みたいな感じで。



なんて余計な事を考えていたら、いつの間にか安室さんが赤井さんに殴りかかろうとしていた。
いつの間にかっていうか、まぁそのうちそうなるなとは思ってたけど。


「落ち着け、安室くん。君も俺も時間がないだろう?
こんなことをしている暇は無いはずだ。」

「……そうですね。すみません、取り乱しました。」


赤井さんの一言によって、安室さんの頭に登っていた血が降下していったみたいだ。
















……こんな2人がタッグなんて組んで大丈夫なのかよ…。

count 91→←count 89



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (93 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
529人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いちごって美味しいよね - レイナさん» ありまぁ…、全く気が付きませんでした…。ご丁寧にありがとうございます! (2019年2月2日 23時) (レス) id: e4cb51c86f (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 題名の愛してるが愛ししてるになってますよ~ (2019年2月1日 3時) (レス) id: 43b7c4b6ca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いちごって美味しいよね | 作成日時:2018年8月20日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。