検索窓
今日:12 hit、昨日:14 hit、合計:214,255 hit

count 72 ページ23

A side






「赤井…、正直マズイかと思ってたけど、美味しいよ!シチュー!!」

「失礼だな、君は。」

「いいじゃん、結果的に褒められてんだから。」

「あ、言い忘れてたことがあるんだが。」

「なーに?」


私が今上機嫌な理由はね、…聞いて驚くなよ!

なんと、あの赤井のシチューが美味しかったからだ。
どっからどう見てもヒモじゃん?赤井って。



「安室くんと君は付き合っているだろう?」

「…え?」

「降谷零くん、と言った方が正しいかな?」


胸にヒヤリとしたものが広がっていく。


「…あんた、そこまで知ってたんだ。」

「あぁ、降谷くんは組織の中で未だに頑張っているようだからな。」

「で、零になに?零に危害を加えるって言うんだったら私は今ここでアンタ達FBIに喧嘩売るけど?」

「いや、降谷くんに危害を加える気はない。ただ…。」


珍しく少し言いづらそうに何拍か置いてから、赤井が言った言葉は衝撃的だった。


「降谷くんと、別れろ。」

「は?なに言って…
「これは降谷くんのためだ。
早乙女、お前には組織に潜入して貰うが…、その際お前と降谷くんの関係がバレれば、降谷くんは確実にノックだと奴らにバレてしまうだろう。
そうなれば、お前も、彼も危ない目に合うんだぞ?」


赤井の放った言葉にぐうの音も出なかった。
ただただ切なくて。

だって、大好きな人の命をまもるのか、大好きな人との時間をとるのか、その2択しか私には残されていないのだから、切なくなってもいいと思わない?


「……わかった。」

「すまない。
更に条件を付けてしまって済まないが…、
警察も、辞めてもらいたい。」

「それも…、零のため?」

「あぁ。本当にすまない。」


さっきまでご機嫌に私の口に運ばれていたスプーンも皿の上で横たわるだけで、私の手はそれ以上の食べ物を口に運ぼうとしなかった。


「…そんなに辛いのなら、やめれ…
「ダメ。零をこれ以上傷付けるなんて、出来ない。私が守らなくちゃいけないの。
約束、したから。」

「…そうか。送って行こう。」


これ以上の話し合いは必要ないと感じたのか、赤井は立ち上がって歩き出した。


玄関から出れば、すぐに変声機を使って声を沖矢さんに戻した赤井に、思わず声をかけてしまった。

「いきなりそっちに戻られても…ねぇ?」

「なんですか、早乙女さん。歩いて帰るんですか?」

「はい、すみませんでした。」

count 73→←count 71



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (93 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
529人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いちごって美味しいよね - レイナさん» ありまぁ…、全く気が付きませんでした…。ご丁寧にありがとうございます! (2019年2月2日 23時) (レス) id: e4cb51c86f (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 題名の愛してるが愛ししてるになってますよ~ (2019年2月1日 3時) (レス) id: 43b7c4b6ca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いちごって美味しいよね | 作成日時:2018年8月20日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。