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A side
「赤井…、正直マズイかと思ってたけど、美味しいよ!シチュー!!」
「失礼だな、君は。」
「いいじゃん、結果的に褒められてんだから。」
「あ、言い忘れてたことがあるんだが。」
「なーに?」
私が今上機嫌な理由はね、…聞いて驚くなよ!
なんと、あの赤井のシチューが美味しかったからだ。
どっからどう見てもヒモじゃん?赤井って。
「安室くんと君は付き合っているだろう?」
「…え?」
「降谷零くん、と言った方が正しいかな?」
胸にヒヤリとしたものが広がっていく。
「…あんた、そこまで知ってたんだ。」
「あぁ、降谷くんは組織の中で未だに頑張っているようだからな。」
「で、零になに?零に危害を加えるって言うんだったら私は今ここでアンタ達FBIに喧嘩売るけど?」
「いや、降谷くんに危害を加える気はない。ただ…。」
珍しく少し言いづらそうに何拍か置いてから、赤井が言った言葉は衝撃的だった。
「降谷くんと、別れろ。」
「は?なに言って…
「これは降谷くんのためだ。
早乙女、お前には組織に潜入して貰うが…、その際お前と降谷くんの関係がバレれば、降谷くんは確実にノックだと奴らにバレてしまうだろう。
そうなれば、お前も、彼も危ない目に合うんだぞ?」
赤井の放った言葉にぐうの音も出なかった。
ただただ切なくて。
だって、大好きな人の命をまもるのか、大好きな人との時間をとるのか、その2択しか私には残されていないのだから、切なくなってもいいと思わない?
「……わかった。」
「すまない。
更に条件を付けてしまって済まないが…、
警察も、辞めてもらいたい。」
「それも…、零のため?」
「あぁ。本当にすまない。」
さっきまでご機嫌に私の口に運ばれていたスプーンも皿の上で横たわるだけで、私の手はそれ以上の食べ物を口に運ぼうとしなかった。
「…そんなに辛いのなら、やめれ…
「ダメ。零をこれ以上傷付けるなんて、出来ない。私が守らなくちゃいけないの。
約束、したから。」
「…そうか。送って行こう。」
これ以上の話し合いは必要ないと感じたのか、赤井は立ち上がって歩き出した。
玄関から出れば、すぐに変声機を使って声を沖矢さんに戻した赤井に、思わず声をかけてしまった。
「いきなりそっちに戻られても…ねぇ?」
「なんですか、早乙女さん。歩いて帰るんですか?」
「はい、すみませんでした。」
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いちごって美味しいよね - レイナさん» ありまぁ…、全く気が付きませんでした…。ご丁寧にありがとうございます! (2019年2月2日 23時) (レス) id: e4cb51c86f (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 題名の愛してるが愛ししてるになってますよ~ (2019年2月1日 3時) (レス) id: 43b7c4b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごって美味しいよね | 作成日時:2018年8月20日 13時