count 61 ページ12
A side
途端に鳩尾を押さえて倒れ込む男に素早く手錠をかけ、もう1発ほど殴って気絶させた。
ちなみに、空手と合気道が出来るってのは真っ赤な嘘。
ひとまず強そうに見せなくちゃと思って頭に思い浮かんだ武道をぽんぽん言ってみただけだ。
この作戦が思ったより上手くいった事に胸を撫で下ろす。
「零に連絡、しなきゃ…。でも、久しぶりに休んでるのかも…。よし、風見さんだ。」
電話は流石に迷惑かと思ったからメールにしたけれど、この選択が間違いだった。
ブルーライトは眠りにくくなるとか、絶対嘘だ。
現に眠いもん。今。
必要な要件をメールにして送った後は、建物内にひとまずこいつを引きずり込まないといけない。
「…いい人そうな顔してるのに…。人は見掛けに寄らずって本当なのね。」
引きずるのは気が引けたため、脇に手を入れて、力いっぱい持ち上げる。
が、やっぱりそこまで持ち上がらずに、半ば引きずるようにして、中に入れた。
途端に体から力が抜け、気付いた時にはもう、眠りの中だった。
.
風見 side
久しぶりに定時に帰れたこともあり、風呂にゆっくりと入り、上がってきた所までは良かった。
テーブルに置いておいた自分のスマホを何となく開いてみると、メールに1件の新着があった。
また広告メールか…。と思いながらもメールを開くと、送り主は早乙女。
「『緊急事態。不法侵入者逮捕 』って簡潔すぎるだろ…。
いや…、もしかしたらこれしか送れない状況に置かれているのかもしれない…。
一応降谷さんに連絡入れとくか。」
面倒臭かったが、彼女に万が一があれば降谷さんに叱られるのは当然自分だ。
その理不尽さに目を瞑りたくもなるが、そんなことをしている余裕はなかった。
『…なんだ、風見。』
「降谷さん、遅くにすみません。」
『用件を早く言え。』
「早乙女から『緊急事態。不法侵入者逮捕』とだけ書かれたメールが送られてきたので一応報告しておこうかと…。」
『何でそれを早く言わないんだ！！Aはまだ残っているのか？』
「は、はい。今日は残っているのは早乙女くらいだったかと…。」
『つまり、彼女は今1人きりなんだな？！』
一方的に怒鳴られ、一方的に電話をブツっと切られた。
降谷さんの声がはっきりしていた所からすると、彼女の帰りを待っていたのだろうか…？
早乙女が無事であると信じながら、テレビを付けた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 529人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごって美味しいよね - レイナさん» ありまぁ…、全く気が付きませんでした…。ご丁寧にありがとうございます！ (2019年2月2日 23時) (
レス) id: e4cb51c86f (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 題名の愛してるが愛ししてるになってますよ~ (2019年2月1日 3時) (レス) id: 43b7c4b6ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちごって美味しいよね | 作成日時：2018年8月20日 13時
