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A side






「じゃあ何…。排気ガス?生ゴミ?」

「絶対違うだろ。それ。」

「分かんないんだもん。なに?悪口言う時みたいにハッキリ言ってみてよ。」

「…他の男の匂いがした。」


え…?
もしかしてヤキモチ?

私が顔をボンッと赤くしている最中にも、腰に回されていた手の拘束は強まるばかり。


「…嫉妬?」


どうしても零の口から“嫉妬”のワンフレーズが聞きたくて、後先考えずに聞いてしまった。


零はうなじから耳元へ移動して、低く甘い声で囁いた。

「そう、嫉妬。」


零から所望していた言葉を聞けたのに、私の顔はまた真っ赤に染まる。
おかしい、予定じゃ馬鹿にするはずだったのに…。


「今、Aがアレだから無理だって我慢してたのに…。
お前嘘ついただろ?」

「…………。」


な、何故ばれている?!
お腹に回されている零の手に、自分の手を重ねると、一気に零の手に包み込まれる。


「俺は、お前に触れたいのに、触れられなくて、すごくもどかしい。
お前に触れたいと思っているのは、俺だけ、なのか?」


耳元で寂しそうにそう言う零が切なくて、体を捻って零の首に抱き着いた。


「違うの。
その…、私初めてだから、経験ある零の前に出るのも恥ずかしくて…。
だから、零だけじゃないよ!」


え?待って。
私、今結構凄いこと言っちゃったよね。
勢いに任せて結構暴露しちゃったよね?


「……そうか。じゃあ問題ないな。優しくする。」

「え?!ちょっと待って!」






零はあっという間に私を寝室まで連れて行き、ベッドに組み敷いた。






「A…。愛してる。」










.







.




目をそっと開けば、目の前には服を着ていない零の、鍛えられた体が惜しげも無く披露されている。


あぁ、そうか。
昨日、零と…。


1人で思い出して真っ赤になっていると、頭上から寝起きで少し掠れた零の声が降ってきた。


「A…、おはよ。何顔赤くしてるんだ?」

「…おはよ。顔のことは…放っといて。」

「…腰は?立てるか?」

「ちょっと痛いです。」

「……そうか。まぁ、今日はお前デスクワークだから大丈夫だろ。
朝飯作ってくるからまだ寝てていいからな。」


なんだよ…。いきなり仕事モードになったかと思えば…。
最後の優しさは。





「ほんっとずるい…。」




枕に顔を押し付けながらボソッと1人で呟いた。







.

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いちごって美味しいよね - レイナさん» ありまぁ…、全く気が付きませんでした…。ご丁寧にありがとうございます! (2019年2月2日 23時) (レス) id: e4cb51c86f (このIDを非表示/違反報告)
レイナ - 題名の愛してるが愛ししてるになってますよ~ (2019年2月1日 3時) (レス) id: 43b7c4b6ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごって美味しいよね | 作成日時:2018年8月20日 13時

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