傷心同士【ハイキュー】

40話 黒尾side ページ40

黒尾 side

病室から出た俺はすぐ側にいるであろう人物を探した。


黒「おい、赤葦」


病室の前の廊下を静かに歩くソイツに声をかける。


赤「ばれてましたか」


なんて、諦めたように笑う赤葦


黒「もうAは渡さないからな。お前が幼馴染っていう名前にしがみついて、自分の気持ちを認めねぇからこうなるんだよ……」


挑発するように話す俺に赤葦は涼しい顔をしたまま俺に向かい合う。


赤「……今回の件、花咲さんがやったんですか？」


赤葦は話を変えるようにそう聞く。


黒「あぁ、俺と赤葦の話を聞いてたんだろうな。じゃなきゃAに手を出す理由がねぇし……わかるか？お前のその下らない意地が、慢心が、Aをこんな事に巻き込んだんだ……分かったならさっさと諦めるなり、素直になるなりしやがれ」


言いたいだけ言って、俺は赤葦の横を素通りして病院を出た。


帰り際の赤葦の顔凄かったなぁ


いつになく感情が現れた顔してやがった


後悔に近い表情


これでAともみゆりちゃんとも向き合ってくれるといいけど



学校に着くと、全選手が待っていた


夜「Aは？」


黒「大事には至らなかったけど、打撲と検査で4日間入院だと……」


日「犯人の顔は！？見たって言ってましたか！？」


黒「いや、覚えてないらしい」


ちょっと皆には嘘をつくけど、今はこのままがいい。


俺は皆の輪から少しだけ距離を取るその子に声をかける


黒「みゆりちゃんは知ってるよね？犯人」


今まで向けた事の無い視線を彼女に向ける。


その視線で大体の人間は察したのか彼女に注文する。


当の本人は顔を真っ青にして俯いた。

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