傷心同士【ハイキュー】

37話 ページ37

監督も両親も京治も帰り、病室には黒先輩と私だけになった。


黒「なぁ、お前ホントに犯人見てないのか？」


黒先輩はそう聞いてきた。


ホントにこの人は勘が鋭い


あ「私は……確かに影は見ました。そして予想もついた……けど、ハッキリ見たわけじゃないんです。だから……言えないです」


そう言うも、


黒「みゆりちゃん、だろ？」


黒先輩は既に気付いていたようだ。


でも……なんで


黒「みゆりちゃんはな、前俺と赤葦が話してるのを盗み聞きしてたんだよ。当の本人は気付かれてたとは思ってねぇみたいだが……俺も盗み聞きしてたのがみゆりちゃんだって確信を得たのはみゆりちゃんの様子がおかしかったからってのと、最初の事件が起きてからだけどな。」


なるほど……


だから、仁花ちゃんと一緒にいろって言ったのか


表情の晴れない私を見てか


黒「ま、心配すんな。あとは俺がなんとかすっから。な？」


私の頭をポンポンと撫でながら黒先輩はそう言う。


私はその手を頭から離して、握りしめた。


そう、この手だよ……


目を覚まして一番に感じたかったのはこの温もり……


私……もしかしたら黒先輩のこと……


いや、まだ失恋したと決まってからほとんど日が経ってないのに、変わり身早すぎるか……


でも……何となく考えてた


小さい頃からの初恋だから


この恋はただの思い込みで、いつの間にか私はそれに縛り付けられてただけなんじゃないかなって……


もう一度自分に向き合おう


今、目を閉じて最初に思い浮かぶのは誰？


あ「黒先輩……ありがとうございます」


私は再び手に力を入れ、その暖かい手を握りしめた


私の初恋を、未練を、断ち切ってくれてありがとう


私は＿＿＿＿






黒先輩が好きです

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