隠した愛 2【PSYCHO-PASS】【狡噛慎也】 (ページ10)

今日:3 hit、昨日:26 hit、合計:11,818 hit

57話ページ10

車庫のような所にたどり着いた

槙島はどこ……？

すると笑い声が聞こえた

槙島｢遂に紛い物の正義を捨てて本物の殺意を手に取ったか。やはり君は僕が期待した通りの男だった｣

狡噛｢そうかい。だが俺はお前になんの期待もしちゃいない｣

2人の会話は続く

槙島｢ここまで来て釣れないことを言ってくれるなよ｣

狡噛｢いい気になるな！貴様は特別な人間なんかじゃない。ただ世の中から無視されてきただけのゴミクズだ！たった1人で人の輪を外れて爪弾きにされてきたのが恨めしいんだろ！仲間外れは嫌だって泣き喚いてるガキと変わらない！｣

槙島｢……面白いことを言うな。孤独だと？それは僕に限った話か？この社会に孤独でない人間など誰がいる？システムの規範に沿って生きる世界には人の輪なんて必要ない。皆小さな独房の中で自分だけの安らぎに飼い慣らされているだけだ｣

その言葉の後に一発の銃声

そして、慎也くんの前に槙島が現れる

あ｢慎也くん！！｣

槙島の攻撃で銃が手から落ちる

槙島｢君だってそうだろ？狡噛慎也。誰も君の正義を認めなかった。君の怒りを理解しなかった。だから、信頼にも友情にも、愛する人にさえも背を向けて、たった一つの居場所さえかなぐり捨ててここまで来た。そんな君が僕の孤独を笑うのか？｣

乱戦の中でそう話す槙島は楽しそうに見える

一方で苦虫を噛み潰したような顔をする慎也くん

槙島｢でも、僕は評価する。孤独を恐れないものを。孤独を武器にした君を｣

慎也くんは押し倒される

助太刀しようと走るが、ナイフで槙島を切りつけ、距離を取った

そして、ナイフを構えて走り出す慎也くん

そんなふたりの間にグレネードが投げ込まれる

常守｢そこまでです。狡噛さん。動かないでください｣

朱ちゃんの言葉に慎也くんは立ち止まる

その隙に私は逃げた槙島を追う

狡噛｢A！！｣

そう呼び止める声が聞こえるが、無視する

槙島を探しながら、トラックを見て回る

すると、いきなり私の方へバックしてくるトラック

避けられない、そう思った時

体が引き寄せられて、すっぽりと収まる

狡噛｢気をつけろ！！｣

あ｢ご、ごめん。って、朱ちゃん！！｣

朱ちゃんはトラックに飛び乗っていた

追わなきゃ

私は慎也くんを突き飛ばして走る

またお腹が痛み出した

包帯の上から血が見える

でも大丈夫

ここで頑張れば、また前を向いて歩み出せるはずだから