隠した愛 2【PSYCHO-PASS】【狡噛慎也】 (ページ4)

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51話ページ4

局長「東雲監視官、何か用かね？」

あ「……公安局を辞めさせてください｣

そう言えば、予想はついていたのだろう驚く様子のない局長

局長「キミも知っているだろう。刑事課は人手不足なんだ。承諾出来ない」

あ「私がシビュラシステムの実態を暴露すると言ってもですか？」

目を見開く局長

局長「ハハッ。キミの性質は私もよく理解しているつもりだよ。キミはそんな事はしない。いや、出来ない。国民の不安を煽るような真似をする人間では無いからね。でも、そうだな……休暇という事なら認めよう。縢執行官を処罰した事による精神消耗を理由にすればいい」

あ「っ、お前！！」

局長「いいのか？これは最大限の譲歩だよ。キミは手放すには惜しい人材だ。しかし、このまま平行線が続くようならキミの大切な1係がどうなるか保証できない」

そう鋭い視線で私を見る局長

あ「……分かりました。寛大な処置に感謝します」

私は逃げるように局長質を出た

もう、全部投げ出して逃げたかったのに

独りよがりだと言われてもいい

それでも、これ以上仲間がこの手からこぼれ落ちていく喪失感に耐えられないと思った

ギノさん……

ギノさんより私が先にダメになっちゃったみたい

そんな懺悔にも似た気持ちを持ちながら、家に帰った

デバイスにはギノさんや慎也くん、朱ちゃんからの連絡が沢山入っている

局長から聞いたんだろう

返信すべきなのは分かってる

それでも……

今は何もかも忘れて何も見ずにいたかった

槙島を捕まえて、これからだって時にごめんなさい

でも、私は……

自分が思っていたより弱い人間だったんだ

･

皆の連絡に目を通したのはあれから数日経ってからだった

槙島が脱走したらしい

今、1係は槙島を追っている

私も追うべきなのだろう

だけど、どうしても体が動かなかった

また槙島の手で仲間がこぼれ落ちていきそうで……

現実から目を背けたかった

そんな時

ピンポーン

家のチャイムが鳴る

誰か確認すると朱ちゃんだった