67話 ページ21
朱ちゃんが出て行ってから少し経った時だった
デバイスに分析室から連絡が入る
あ「どーしたの?志恩ちゃん」
唐之杜『北澤の犯罪係数が下がったわ』
あ「え?」
ありえない……
あそこまで上昇した犯罪係数は普通規定値まで下がるはずがない
やはり黒幕がいるの……?
けど……
北澤と面会出来たのはセラピストだけ
唐之杜『今朱ちゃんたちが北澤と話しているわ』
あ「そう……その件は朱ちゃん達に任せようかな」
朱ちゃんの聴取が終わったら話を聞こう
……こんな存在するのかも分からない存在をまた追うことになるなんてね
しかも今度はこの世に存在しえない存在
最早、透明人間を探すような所業
透明人間を探すなんて私たちの仕事じゃない
それでも、可能性がある限り調べなきゃ
昔のような目に遭うのはもう懲り懲りなんだから
・
あ「朱ちゃん。聴取のこと聞かせてちょうだい」
翌日、私は朱ちゃんを呼び出した
常守「はい。知っての通り、北澤の犯罪係数は問題無い範囲まで下がりました。そして北澤は私たちに言いました。あの人が会いに来てくれた。クリアにしてくれた、と。ですが公安局直属のセラピスト以外の面会者はおらず、私と宜野座さんで先程そのセラピストに会いに行きました。」
あの人が会いに来てくれた……
あの人っていうのは北澤となんの接点もないセラピストなわけが無い
しかし、そのセラピスト以外の面会者は居ない
あ「……なんだか頭が痛くなるわね。続けて」
常守「そうですね…セラピストに会いましたが、通常通りの業務を行ったと言いました。監視カメラの内容も予め確認しておきましたが、彼の言うことに間違いはないでしょう。あまり収穫があるとは言えないです。オマケに前代未聞ですが、北澤は一般医療施設へ移送が決まりました。」
あ「仕方ないわね……サイコパスがクリアになった以上、規定上そうしなければならないもの」
そうですね、そう俯きながら言う朱ちゃん
あ「……今日の所は早めに上がって休みなさい。最近の朱ちゃんは張り詰めて疲れてるように見えるし」
常守「Aさん……セラピストの方にも言われたんです、休んだ方がいいって……お言葉に甘えて上がらせて頂きます。移送は元より2係にお任せするつもりだったので」
あ「それがいいわ。お疲れ様」
朱ちゃんはお疲れ様ですと返事すると、部屋を出ていった
移送、か……
何も起こらないといいけど……
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作者名:空 x他1人 | 作成日時:2023年1月18日 22時