隠した愛 2【PSYCHO-PASS】【狡噛慎也】 (ページ19)

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65話ページ19

あ「霜月さん、これはあなたへの助言よ。見えている世界が全てでは無い。監視官が全て正しい訳でもない。時には執行官の意見が正しい事もあるし、その意見を汲んだ方が上手く事が進む事だってある。あなたは力が入りすぎよ。もっと肩の力を抜いて、朱ちゃんとも執行官とも付き合いなさい。執行官との距離を近付けろとは言わないわ。ただ、少しは執行官ともコミュニケーションを取らないとね。特に宜野座執行官なんて元は監視官、良い話し相手になると思うわよ？」

霜月「……確かに、常守監視官は執行官とも上手くやっています。けど、私は馴れ合うつもりも無いし、執行官を仲間だと思った事もありません。それに、宜野座執行官は監視官を辞めた身。尚更話すことなんてありません」

霜月監視官はそれだけ言うと、失礼しますと部屋を出て行ってしまった

霜月監視官はまだ若いし、視野もその分狭い

正しいものは社会が、シビュラが正しいと言ったものだけであり、それ以外は正しくない

そういう固定観念がまだ解けないのも仕方ない

ただ、この仕事の性質上、どこかでそのネジを壊さないとやっていけないわよ

･

仕事も終えて、私は久しぶりにジムに来た

もうほとんど現場に出ることはないけど、たまには体を動かさないと必要な時に動けなくなっちゃう

あ「あら、あなたは」

「お疲れ様です。課長」

格闘ロボと組手をしていたのは、東金朔夜執行官だった

あ「お疲れ様。東金執行官。強いわね」

少し見ていたけど、格闘ロボのレベルはMAXだし……

なんか慎也くん思い出すなぁ

東金「ありがとうございます。課長もかなり強いとお聞きしましたが」

あ「誰から聞いたのよ、そんな話……もしかして朱ちゃん？」

なんて話していると、

「Aさん？」

あ「あら、朱ちゃん。お疲れ様」

常守「お疲れ様です。Aさんがここにいるの見るの久しぶりですね」

そう笑った朱ちゃんは、最近見る表情とは違って、入ったばかりの頃を思わせる

あの事件以降、鋭い目をするようになったから

あ「たまには体動かさないとだからね〜。そうだ、トレーニングしながら少し話さない？」

常守「はい！」

私たちはジムの方に移動した