隠した愛 2【PSYCHO-PASS】【狡噛慎也】 (ページ11)

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58話ページ11

走ると、横転したトラックと、その近くに倒れる朱ちゃん、そして槙島が見えた

まだ少し距離がある

何か話しているようだけど

朱ちゃんの方に行かなきゃ……

そう思いながらも、やっぱり槙島から目を離せなかった

ごめん

薄情でもなんでもいい

今は槙島だけを追わせて欲しい

朱ちゃんから離れて走り出した槙島を私は追う

後ろから聞こえていた走る足音はいつの間にか無くなっていた

慎也くんは朱ちゃんの元へ行ったんだろう

銃も朱ちゃんが持ってるしね

･

あ｢槙島！！｣

片腕を抱えながら走る槙島はピタリと動きを止める

槙島｢キミは、僕にとって替えのきく存在と思っていたが、狡噛慎也と同じで効かない側の存在だったらしい。今僕の脳内にはキミと狡噛慎也、どちらかに殺される光景しか思い浮かばないんだ｣

あ｢…奇遇ね。私もよ｣

そう話しているところに慎也くんが来る

槙島｢なぁどうなんだ？狡噛慎也、東雲A。君たちはこの後僕の代わりを見つけられるのか？｣

あ･狡噛｢｢いいや。二度とごめんよ/だね｣｣

私は慎也くんの銃を握る手に手を重ねる

すると慎也くんは私を見つめる

そんな慎也くんに私は笑みを見せる

慎也くんは頷くと、槙島を再び見る

そして、一緒に引き金を引いた

･

あ｢慎也くん｣

その言葉に私の方を見た慎也くんにビンタをかます

狡噛｢っ｣

あ｢慎也くんはいっつも自分勝手！！私の気持ちなんて知りもしないで！！全部全部1人でやっちゃう！！それを全部私のためだって言う！今回だってあんな手紙だけ残して、私から離れた！なんであんな大切な事直接伝えてくれないの！？それに何よ！自分以外の奴と幸せになれって！そんな言葉で私が喜ぶと思ってるの！？なんで……慎也くんが幸せにしてくれないの……｣

涙が次々に溢れる

狡噛｢A……｣

慎也くんはそう言うと私の涙を拭う

狡噛｢愛してる。だけど、お別れだ。でも、俺はまたAと会えるって謎の確信があるんだ。だから、その時まで待っててくれ｣

ぎゅっと強く私を抱き締めながらそう言う慎也くん

確信のないその言葉は何故か信頼できるような気がした

あ｢嘘だったら……許さない。その時まで生きててよね……愛してる｣

そして、私たちの影は重なった