爆心地のお気に入り【爆豪勝己】 (ページ15)

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13話ページ15

あ「もーだめだー！」

「もー！まだそう言うには早いよー！まだ5社くらいしか受けてないでしょー？私はもう10社受けてダメだったんだからー！」

友達と息抜きにとショッピングモールに来た

お互いに上手くいっていないから、丁度よく誘える相手だった

「そういえばAさ、いい感じの男の人いたでしょ？」

あ「え？」

勝己の話なんてしたこと無かったのに

なんで……？

「分かるよー！だって、Aいつも死んだ魚の目してるのに、数ヶ月前はイキイキしてたし〜！安心したんよ？Aってあんまり人に心開かんから思い詰めがちだし……だから嬉しかった」

あ「そっ、か……そう見えてたか」

やっぱり……

私は勝己のおかげで生きられてたのかな

「ま、就活忙しいし暇ないのかもしれんけど……その人のことは大切にしなよね！」

あ「うん……そうする」

･

キャーーーーー

雑談もすんで、服屋をまわっていた時だった

いきなり近くから悲鳴が聞こえて、そっちを向くと火があがっている

な、に……？

「敵だー！！」

「ヒーローは！？ヒーローはまだ！？」

混乱した人の叫び声と泣き声が響いている

あ「え……なに……敵……？」

足がすくんで動けない

そうしている間にも敵は私たちのほうに近付いている

敵「全部全部無くなっちまえ！壊れちまえ！！」

そう叫びながら個性でそこら中を破壊していく敵

いつの間にか私の目の前にいた敵は、ニヤリと笑うと、私の体を掴みあげた

あ「やっ」

敵「怖いか？怖いだろ？お前みたいな若い女はいいよな。未来に希望を持ってるんだろ？」

そんなわけないのに……

未来に希望なんてない

私なんて……

私なんて……

このままじゃ殺される

個性を使う？

でもこのまま死んでもいいかも……

もう消えてしまいたい

敵は個性を発動した

首元が熱い、痛い

「おい！！その手離せ！！」

遠のく意識の中、微かに聞こえたその声に光が見えた

生きなきゃ

私はまだ彼と話したい、隣で笑っていたい

そう思うといつの間にか個性を発動していた

一瞬で消えた敵の腕

そして、身を放り出された私は宙に浮く

最後感じたのは、安心する腕の中にいる事だった