絡まりあって、溶け合って【不死川実弥･冨岡義勇】

決別 〈一話〉 ページ20

訓練も終わり、私は一人で縁側で庭を眺めていた。


別に何かあるわけじゃないんだけどね。


ただ、考え事をするのにここは丁度いいんだ。


サナエちゃんに会う時、私はなんて声をかければいい？


『なんで嘘ついたの？』


そう聞けばいい？


それとも、


『サナエちゃん！』


って、何にも気付いて無いように話せばいい？


どちらにしろ、私はあの件をお館様にも柱にも言うつもりはない。


なら、聞いちゃえばいいのかな。


どうすれば……


？「Aちゃん！」


そう呼ばれた。


この声は……


あ「サナエちゃん……」


私が今、丁度考えていたその人だった。


サナエちゃんは私の隣に腰を下ろす。


龍「もう、傷は大丈夫なの？」


心配そうな顔でそう聞くサナエちゃん。


この顔を見ると、あの件はなにかの間違いだったのでは？そう思えてきてしまう。


あ「もう、治ってきたよ！今は機能回復訓練で体力とか諸々元に戻してるところ。」


そっか、サナエちゃんはそう言うと私と同様、庭を見て黙りこんだ。


そして、少し経ってから


龍「私が嘘の報告をしたこと、問い詰めないのね。」


そう言った。


あ「うん……私はサナエちゃんを信じてるから。なにか理由があったんじゃないかなって思ってるよ。」


私はそう言ってサナエちゃんを見た。

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