【妖怪ウォッチ2】消え行く正しさを直す旅。【part4】 (ページ23)

今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:27,967 hit

第143話　未来に続く桜町ページ23

～･～･～

「一つ言える事は……こやつ等を倒さん限り、桜町に未来はないじゃろうな……」

二人が姿を消して、直に再び目を覚ましたニャーダ。
彼がこう言ったのには、まだ寝ぼけているのだろうかとウィスパーが笑う。

「またまた～、そんなオーバーな! だって我々がやってきた時代の
未来の桜町……さくらニュータウンは平和そのものですよ?」

「ウバウネには時を奪う能力……つまり、歴史を変える力があるとしてもか?」

奴等がAやケータ、ケイゾウから妖怪ウォッチを奪わんとしたのは何故か。

実際、それを失ったケータ達が本来の記憶を覚えて居なかったのは、どういうこと
なのか──これまでの全てを考えれば、ニャーダの言う事は十分に理解出来た。

「そういう事さ。どうも桜町の雲行きが怪しくなってきたね……!」

「……桜町に、怪魔達の大軍が押し寄せてきているとの報告があります」

ニャーダの声を受けて、大ガマの視線を受けたキュウビが頷き
土蜘蛛の視線を受けたオロチは、静かに“伝えるべき事”をようやく告げた。

二人が突如としてこの平原──もっと言えば、大ガマや土蜘蛛の下に
姿を現したのは、桜町の異変を伝えるためだったのだ。

「こうしちゃ居られねえ! 桜町へ急がねぇと!」

「待て、ケイゾウ! 俺も行く!!」

もたもたとした話に、じれったく思っていたのか
言うや否や、猛スピードで平原を駆け抜けて町へと戻って行くケイゾウ。

……例によって、彼にはフユニャンが慌ててついて行った。
また、土蜘蛛はそれらの背を見送りながら、一つ息を吐いて言う。

「──まさか、あのマスターニャーダ様が力を貸してくださるとは……。
しかし、怪魔達は手強い……果たして、我々で勝てるかどうか……」

厄怪一体を、大ガマと土蜘蛛の二人掛かりで
抑えるだけでも苦だった、あの“上級怪魔”とやらに。

だが……そう言う土蜘蛛の脳裏には、つい先ほどまでこの場に居た
アエラスと名乗った少女や、影オロチの姿がちらついている。

もしも彼らでさえ敵に回るとするならば、抱えるべき問題が多過ぎた。

「勝てねぇだろうな。“このまま”じゃ……」

「……大ガマよ、それはどういう意味だ?」

土蜘蛛と同じく、ケイゾウ達の背を見やっていた大ガマが彼の声に答える。

“勝てる”と答えられて居れば、今頃とっくにケイゾウに続いて
このだだっ広い平原から立ち去っていたところだ……しかし。