第133話 通じ合う者達 ページ13
一方で、ニャーダと向き合ったケイゾウは唐突に掛け声を放った。
「行くぜ! てれってれって〜てれれ!」
「ガッツ!」
「「「…………」」」
例の掛け声の後、当然のように決めポーズを共にとる
ケイゾウとニャーダに、ケータ達の呆れた視線が注がれる。
しかし本人達はといえば、全くそれを気にした様子はなく話を盛り上げていく。
「このじーさん、話したら面白い奴でよ。ガッツ仮面が大好きなんだとさ」
「“愛”と“ガッツ”と“根性”で世界にはびこる悪を討つ!
無敵王者! ガッツ仮面!! 世界はトモダチ! ゼンブ守るぜ!」
……そういえば、自分達はあの商店街で初めてニャーダに会ったのだった。
しかもテレビのあった電気店の前で──という事は、マスターニャーダも
あの時、ケイゾウ達と一緒にガッツ仮面の放送を見ていたのだ。
「“愛”……“ガッツ”……“根性”……? これってもしかして……」
「──ガッツ仮面の試練だったニャン!?」
だとすれば、あるいはここまでの試練が
単なる彼の遊びの付き合いだったなんて事もあり得た。
ウィスパーとジバニャンが言ったのに、ケータはガックリと肩を落とす。
「……あの……マスターニャーダ。そろそろ本題に入ってもらえますか……?」
無駄足を踏まされたケータ達を不憫に思いながら、
フユニャンがニャーダに話を促した。
「ああ、うんうんうん……──ケータ達よ、
よくぞ試練に耐えた。もうお主達に教える事は無い」
「(その話はもう良いよ……)……って、
こんなので大丈夫なの!? すっごく不安なんですけど……」
ニャーダと鬼ごっこをして、普通の猫達とかくれんぼをして
やっとまともになったと思った鬼食いとの戦いは、
突如として現れた見知らぬ少女にケリをつけられてしまっている──。
するとニャーダそんなケータの言葉を聞いて、次にこう声を発する。
「…………ホースと共にあらん事を……」
「……や、やめろ、消される」
冗談じゃなく訴訟も辞さなくなるから言うな。
彼の声に、途端に慌てて首を横に振ったAだったが。
「──ホースって?」
「プッ、ケータ君。ホースではございません。“フォー”スです! フォース!!」
「……フォース? 何だそりゃ?」
首をひねるケータに、思わず噴き出したウィスパーが説明するものの
これにはケイゾウも、意味が解らんと難しそうに眉を寄せる。
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作者名：フェイル | 作成日時：2015年8月1日 0時
