【妖怪ウォッチ】望みも, 願いこそあれ。 (ページ3)

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･Story 2 ページ3

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──彼女がまだ中学生だった頃のこと。

その日は特に嬉しい事も悲しい事もない、平凡な日。
ただ友達と楽しく話したり、遊んだり……そんな毎日。

それは今日も同じことで、何も変わる事はない──その筈だった。

「えー……今日は何だったかな……」

運動場で、体操服を着て体操座りをして並んでいる中学生達を前に
気だるげに一人の教師が手元のバインダーをちらりと見やる。

というのも、この時は“体育”の授業があるわけで

広い運動場や体育館を使用するので
二つのクラスが合同になって授業を受けることになっていた。

「あー、そうそう、前回の授業で丁度バレーが終わって……
今日から縄跳びをすることになっているんだったわね」

因みに体育の授業は男女別になっており、
教師も女子側には女性が就くようになっている。

今、その中に彼女も居り、丁度傍らに座っていた女子が
彼女にヒソヒソ声で話しかけた。

「なんか、今日の先生おかしいよね。だらーっとしてて」

この女子は彼女の友達の一人であり、
敢え無く隣のクラスになってしまった女子だった。

そんな彼女の不思議そうな顔つきに、
彼女もまた体育の先生を見やりながら頷き返す。

「……いつもなら、ハツラツとしていて愛想の良い先生なのに」

「だよね。何かあったのかなあ……」

「──まあ、各自適当に広がって始めちゃってー」

二人がヒソヒソと話して居る間に、先生が投げやりに
指示を放棄し、生徒達を促していた。

それで渋々と動き出す周りに気づき、
二人も慌てて縄を手に空いているスペースへと移動する。

「やっぱりおかしいよ、幾らなんでも、あれは……」

「……ねー、今日ちょっと先生おかしくない?」

少し先生から離れた場所で話を再開しようとした二人の元に
また二人の女子が歩み寄る。

これもまた、彼女の友達である。

「授業放棄するなんて、まず先生として有り得ないよね。
よりによって栄子先生なんて……」

「あの先生、そういうのはよっぽど嫌いそうなのに」

「…………何かこう、嫌なオーラが先生に
近寄っちゃったせいー、とかだったら何とか出来るのに」

三人の声を聞きながら考えて居た彼女だったが、

ふと女友達の一人が言い出したことには
流石の彼女も苦笑しつつ、その子に向けて声を放つ。

「そんな馬鹿な……。そもそもオーラなんて、
人の力でどうこう出来るものでもないし……」