九十八滴目 ページ6
中原「あのひt…」
太宰「中也。」
俺の言葉を太宰が遮った。
中原「なん、だよ…」
太宰「火憐ちゃん、先に帰っててくれるかい?」
月詠「ん、わかった。あっ…太宰、携帯…」
太宰「へ?」
すると火憐は俺が買ってやったスマホを太宰の前に出した。
太宰「あぁ、買ってもらったんだね。うん、交換しよ?」
月詠「ありがとう。じゃあ、中也。ご飯作って待ってるね」
中原「お、おぅ…」
そして火憐は踵を返し、帰って行った。
それを見届けた太宰は、今迄笑顔だった顔を一瞬でゆがめて、此方を見た。
太宰「はぁ、普通あの顔を見れば聞かないでしょ。馬鹿なの?あぁ、馬鹿だったね」
中原「あ゙ぁ゙!!?」
太宰「あーうるさい。ほら、着いてきた」
中原「この野郎…」
俺は何も返さずに太宰の後に続いた。
そして着いたのは、港だった。
そこには、生き物すらいない不気味な所だった。
太宰「ここなら、誰にも見つからないでしょ」
中原「太宰」
太宰「言わなくてもわかってるよ。火憐ちゃんのことだろう?
あの子はね…いや、あの人は長い月日をこの場所で過ごしてきたんだ。故に、たくさんの人間に出会ってきた。もちろん、その人間の中にはお前の様な気持ちを持つ人間だって出てくるさ。なぁ、中也?」
中原「は、、?」
俺の今の顔はとても人に見せられるものではないだろう。
太宰「私が、わからないとでも思ったのかい?お前の、あの火憐ちゃんだけに見せる顔。火憐ちゃんだけを見つめるそのまなざしを。」
中原「・・・あぁ、そうだ。お前の考えていることであってると思うぞ?」
俺は肯定した。
だって、こいつには嘘はつけない。
そんなの、この世界で一番俺がわかっているさ。
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RIN5hime(プロフ) - はらさん» すみません、外し忘れていたようです。本当に申し訳ありませんでした。ご報告、ありがとうございます。 (2018年4月9日 3時) (レス) id: fa950d0707 (このIDを非表示/違反報告)
はら - 続編なのに何でオリジナルフラグ外し忘れてるんですか〜? (2018年4月8日 9時) (レス) id: 73e7bfd0e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RIN5hime | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/koyuduki271/
作成日時:2018年4月8日 3時