そして2 ページ48
ｸｻﾞﾝside
Aにつき出されたものに戸惑う。
「…っ、これは…、」
彼女を見ればなんの後悔もないとでも言うように、真っ直ぐにおれを見ている。
………そして、
『退職させて頂きます。』
Aは、はっきりとそう言った。
退職するために用意された書類。
出来るならば、受け取りたい。
でも、
「ダメだ、受け取れない。」
おれの言葉にスッとAは目を見開く。
『ど、どうしてですかっ！？私は…』
突き放せ、おれ。
「だから…、お前は仕事順調なんだろ？それを手放して、どう生活するんだよ。お前は、……っ！」
これはAのためなんだ、だから……だから。
「……どうして泣くんだよ…。」
Aの頬をつたう涙に、おれはギュッと心臓を握られたように苦しくなる。
涙を流しながらAは声を振り絞って喋る。
『でも、でも…、その生活をえるにはクザンさんを手放さなきゃいけないんでしょう？だったら、仕事を手放した方がよっぽど良いです！！』
そう言って、一人泣くAにおれは喜んでる。
こうやって、思われていることに。
本当に受け取っちまって良いのか？
そんな悪い考えが浮かんでくる。
いや、ダメだそんなの。
なのに、おれの心は受けとるか受け取らないかで揺れている。
ダメだ、ダメだ。
そう、言い聞かせているのに。
『私には未来がある…？……なに言ってるんですか！クザンさんがいないなんて、私には未来なんて無いですよ！！』
その言葉と同時に、おれの心は簡単に傾いてしまって。
「ズリィよ、A。」
そう言いながら、彼女をギュッと抱き締める。
「こんなんじゃ、置いてくことなんて全然出来ねぇよ。だから最後に聞く……おれに着いていく覚悟はあるのか？」
そう聞くと、Aは首を縦に振った。
『あなたの行くところなら、どこでも着いて行きますよ……大好きですから。』
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みき(プロフ) - にやにやしながら見ました。ここで終わりではなく、続編が出来れば見たいです。 (2021年1月29日 2時) (
レス) id: 940da72d22 (このIDを非表示/違反報告)
E - ナツさん» コメントありがとうございます。 そう、言っていただけてとても嬉しいです。話も終盤に入ってきたのでこの調子で頑張りたいと思っています。 最後まで楽しんで頂けたら、嬉しいです(^^) (2019年8月3日 13時) (レス) id: c09a31c274 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - ずっと読ませていただいてました。もうそろそろ涙腺が終わりそうです。更新頑張ってください (2019年8月2日 23時) (レス) id: fc869cc63c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：E | 作成日時：2019年4月3日 22時
