そして1(46話) ページ47
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『クザンさん。』
窓から外を眺めている彼の後ろ姿に声をかける。
「……なんだ？」
そう言って振り返った彼に、私の目線は嫌でも足に向いた。
無くなった片足の代わりにつけられた氷の義足。
それはあまりにも痛々しくて、それでも目線をそらすことは出来ない。
『その……足の具合はどうですか？』
そう恐る恐る聞いてみる。
クザンさんは、返事をする代わりにこちらへと静かに歩み寄ってきた。
「この通り、慣れてきたよ。今まで通りにお前に近付けるし、ホラ、こうやって触ることも出来る。」
そう言いながら、私の頭に手を乗せワシャワシャと撫で回す。
『フフフ、グチャグチャになっちゃいますよ。』
「ワリィ、ワリィ。……でも、もう出来ねぇんだ…少しくらい良いだろ？」
そう言って笑うクザンさんの表情は寂しげで、分かりきっていることなのに問いかけてしまう。
『本当に、行ってしまうんですか？』
「あぁ、アイツの元につく気はねぇからな。」
新聞にのる程のビックニュース。
それは大将同士の争い。
赤犬 対 青キジ。
数日に渡っての戦いの結果、勝ったのは赤犬で負けたクザンさんは……、
「お前がなんと言おうと、おれは出ていく。」
海軍を辞めることになった。
「お前との時間は楽しかったし、あの時言った言葉も嘘じゃねぇ…でもな、」
『私は連れていけない…ですか？』
さっきに答えた私にクザンさんは「あぁ…」と呟く。
「お前は海軍の中でも、かなりの戦力になった。これからもお前には未来がある。だからおれには着いてく…」
『………借金。』
淡々と話す彼に私は小さくではあるがハッキリと言った。
『借金、払い終わりました。だからクザンさん、上司である貴方に渡したいものがあります。』
クザンさんが喋る隙を与えないように今度はしっかりとした声量で、私はクザンさんに一枚の紙をつき出した。
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みき(プロフ) - にやにやしながら見ました。ここで終わりではなく、続編が出来れば見たいです。 (2021年1月29日 2時) (
レス) id: 940da72d22 (このIDを非表示/違反報告)
E - ナツさん» コメントありがとうございます。 そう、言っていただけてとても嬉しいです。話も終盤に入ってきたのでこの調子で頑張りたいと思っています。 最後まで楽しんで頂けたら、嬉しいです(^^) (2019年8月3日 13時) (レス) id: c09a31c274 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - ずっと読ませていただいてました。もうそろそろ涙腺が終わりそうです。更新頑張ってください (2019年8月2日 23時) (レス) id: fc869cc63c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：E | 作成日時：2019年4月3日 22時
