52話 ページ11
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｢あともう1人必要だよねー｣
三奈ちゃんが呟く
出久は飯田くんのところ行っちゃったし
他に味方と呼べる人なんていないし
どうしようかと私たちが思い悩ませていると
｢おい、俺も……混ぜてくれないか？｣
背後から聞こえてくる
弱々しい 戸惑いがちな声
｢切島…………｣
上鳴くんが鋭く睨む
私たちの周りにピリピリとした空気が漂って
気づけば教室内も静かになっていた
そんな中話し始める切島くん
｢俺、八百万と麗日に惑わされてAと一緒にいたらだめだって思っちまって
それでAから距離とってた
だからAが泣いてるとこみてもいつもなら動く足も動かなくて
だけどあのとき上鳴に言われてやっと気づいた
俺はやっぱりAの笑顔が1番大事だって
それをお前が気づかせてくれたんだ
俺が狂いそうになってたのを助けてくれたんだ
ほんとにありがとう上鳴
そして今まで助けてやれなくてごめん、A
もう一度だけチャンスをくれないか？｣
切島くんの真剣な瞳
その瞳は
あの日帰り間際のショッピングモールでみた虚ろな瞳なんかじゃなく
とても澄んだ綺麗な瞳だった
戻ってきてくれたんだ
帰ってきてくれたんだ
｢おかえり、切島くん｣
ふいに頬を伝う涙に気づく
泣くほど嬉しかったのだろうか
｢……もう迷うなよ切島｣
上鳴くんが笑って切島くんを歓迎する
三奈ちゃんも響香ちゃんも瀬呂くんも微笑んで私たちを見つめている
ふいに切島くんが後ろを振り返った
｢おい、お前らも
いい加減はやく“戻ってこいよ”｣
“戻ってこい”
それはどういう意味なのだろうか
元のみんなに戻ってくれということなのだろうか
疑問をうかべる私とはちがってみんなは意味がわかったのか
下を向いて黙り込んでいる
｢……とりあえずその話はまた今度だ
黒板にさっさと班を書いていってくれ｣
しばらくの沈黙のあと
飯田くんの珍しく暗く沈んだ声が静寂を切り裂く
＿＿＿＿＿こうして波乱の班決めは幕を閉じた
3日後の修学旅行はもうすぐ
なにも なければいいな
なんて
なにもないわけないのにね
・
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・
・
｢戻れるものなら戻りたいわよｯ...｣
悲痛な者の叫びが聞こえる
｢なんであいつは戻れたんだよ……｣
それでも狂った歯車は元には戻らない＿＿＿
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麗葉 - 『完璧』っていう夢みたいな人じゃなくて迷ってわからなくなって悩んでるのがとてもいいな〜と思いました！笑顔の破壊力ってヤバいですもんね！なんか守ってあげたい感じでこの作品私大好きです！ (6月24日 21時) (
レス) id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
ははは一 - かんどうした (2021年12月8日 19時) (レス) @page4 id: 6f50961cb9 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 主人公のモテる要素まるでないし、両親に愛されていない設定に無理やりしたら元々塵レベルだった惚れる理由の笑顔とかも普通に考えてでないでしょ。文章力ないとは言いませんが、キャラ含めて頭の悪そうな人しか出てこなくて読んで後悔しました… (2019年11月28日 1時) (レス) id: 45c16bbaa3 (このIDを非表示/違反報告)
(●?´▽?`●?)(プロフ) - うっわぁこの主人公の性格やっぱり無理 (2019年4月14日 0時) (レス) id: 5e85bd0815 (このIDを非表示/違反報告)
和琴 - ハッピーエンド (2019年3月12日 20時) (レス) id: d84b5701cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魅蘭 | 作成日時：2018年5月12日 15時
