ピアス ページ33
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ぐしゃぐしゃのシーツに沈むふたつの影
目が覚めたらもう朝になっていて
綺麗な顔で眠る瑞稀さんがそこにはいた
ずきりと痛む腰と足を動かして服を拾い集める
寝顔を見ながら思い出すのは昨日のことで
うっかり口からこぼしてしまった好きは
もう元には戻れないと示しているようで苦しかった
もう瑞稀さんを好きで居続けるのは苦しい
好きなのに苦しくて悲しいなんて、恋なんて
「瑞稀さんごめんなさい、」
それだけ告げて、身支度を整えて部屋を出る
辺りはもう明るくて、車も人も動き始めるような時間帯
ふぅ、とだけ息をついてからバスに乗る
歩いて帰れる距離だけど、なんだか今日は歩きたくなくて
スマホを開くと涼や那由からのメッセージが来ていて
色々心配かけてごめんね、とだけ返してからスマホの電源を落とす
恋なんてしなきゃ良かったって何度も何度も思ったけど
恋がこんなにも楽しいことを知れたのは瑞稀さんのおかげだし
これからどんないい人を見つけてやろう
なんて私の気持ちは思ったよりも前向きになっていた
バスを降りるとスマホのバイブレーションが鳴る
見ても知らない電話番号だし、
だけど出ない訳にも行かないかと応答ボタンを押す
「……もしもし、」
『………』
「あの、どなたですか、？」
『……………俺』
スマホを持つ手が震えて、ビクリとする
昨日の夜以来聞く瑞稀さんの声は寝起きだからか掠れていて
色っぽくて、昨夜の熱を思い出してぶわりと体が熱くなる
「な、んで番号、」
『ああ……直樹から聞いた』
お前が勝手に帰るから、なんて言う口調は少し怒っていて
もうこれ以上嫌われたら溜まったものじゃない、というか
これ以上振り回されて苦しむのは嫌なんだ
「怒っ…てますよね、、ごめんなさい」
『んああ！俺は別に謝らせたい訳じゃなくて、』
話したいことあるって言っただろ…なんてしりつぼみになりながら言った瑞稀さんがかわいい
でもよく考えたら私が自己中な行動のせいで
瑞稀さんを散々振り回してしまっている
会えなくなる前に、瑞稀さんの口からきちんと振ってもらおう
そう思った私は
「わかりました」
とだけ言った
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カナミヤ - 続きがめちゃくちゃ楽しみです！！更新頑張ってくださいー！ (2020年9月14日 17時) (
レス) id: 949b57da1a (このIDを非表示/違反報告)
�盒桐ヅ� - 展開が実際にありそうですごく読み進めやすかったれす。これからも頑張ってくらさい！応援してます！ (2020年9月11日 6時) (レス) id: 6ae65668a0 (このIDを非表示/違反報告)
タピミル(プロフ) - 更新楽しみにしてまふ！ (2020年9月7日 12時) (レス) id: ee2a92e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きぃ x他1人 | 作成日時：2020年9月6日 23時
