三十八、 ページ44
ーーーそんなこんなで、太宰くんがうまく敦くんをまるめこんで話がまとまったところで、
話は北米の異能組織…ギルドのことに。
「…そういう訳で、敦くんに懸賞金を掛けたのは十中八九そのギルドの団長よ。」
「マフィアに通信記録が残っていたから、まあ間違いはないだろうねえ…」
太宰くんが放棄しようとした白紙の報告書を押し返しながらそう言えば、
彼の方も嫌そうにそれを受け取り、
机の上にたらい回しのようにおいてそう付け加えた。
「だが、実在するのか?
表向きは政財界や軍閥の要職を担い、裏では資金力と異能力で数多の謀を企む
ーーーーーまるで三文小説の悪玉だ。」
「…ギルドは確かに存在する。それは間違いないことだよ。問題は……?」
言いかけたところで、外から異様な轟音が聞こえ目を向ける。
ゴオオオ…という音がいよいよ事の異常さを知らせ、
谷崎くんが駆け込んできたところで
全員の視線は外へと向いた。
窓の外には、車線のど真ん中に降り立ったヘリコプター。
そこから出てきた男は私と目が合った途端、
にっと笑った。
「先手を取られたね」
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朝希 緑 - 素敵な作品です!揺るがない国木田くんwww (2016年9月9日 7時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちか x他1人 | 作成日時:2016年6月19日 11時