二十九、 ページ34
…鏡花ちゃんの思わぬ提案に敦くんも大きな声を上げる。
それを制したのは国木田くんだった。
「…元マフィアだからではない。仕事が無いわけでもない。
だが止めておけ
甘い世界では無いぞ」
国木田くんと鏡花の、鋭い視線がお互いにまっすぐ注がれる。
「…それに、ここにいたら、騒動の最中に身を置くことになる。
安全な場所に身を隠す方が懸命だと思うけれど?」
「私には、殺人のほかに何も出来ないと、“あいつ”はいった。
違うと自分に証明したい。」
彼女の覚悟に敦くんは息を呑む。
そして社長に向かって頭を下げた。
「僕からもお願いします」
口の前で両手を組み上目遣いで社長をみつめる鏡花ちゃん。
社長は今まで見たこともないような表情で鏡花を見る。…おお、レアだ。
「…採用」
「「「え!?」」」
「敦、面倒を見てやれ」
驚くみんなを他所に社長は社長室へと戻っていく。
「A…」
国木田くんが何かを訴えるようにこちらを見てくるので、
笑ってウィンクしてから告げた。
「知ってるでしょう。社長の言うことなら私は文句は言わない。」
「……」
「Aー暇つぶしに花札やろー」
「はーい乱歩さん!
そういう訳だから諦めて敦くん共々よろしくね。
国木田くん♪」
そういってひらひらと手を振り乱歩さんとの花札のため奥の部屋に下がる。
その後ろで探偵社の扉が開く音が聞こえていた。
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朝希 緑 - 素敵な作品です!揺るがない国木田くんwww (2016年9月9日 7時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちか x他1人 | 作成日時:2016年6月19日 11時