一、 ページ3
国木田くんに人食い虎捕縛の依頼を任せた日、私は結局忙しくて社に戻ることは出来ず、
翌日も朝から諸用があったため、
私が件の白虎の彼について知るのは、その日の夜はのこととなった。
「あ、Aさん、お疲れ様です」
社の扉を開けると、丁度帰路につこうとしていた賢治くんがいて。
「あれ、今日は随分遅いのね。
なにかやっていたの?」
「はい!籤引きを!」
いつものようににっこりと笑ってそう答えた。
籤引き…話が見えないな。籤とは何のためのものなのか、
それを尋ねようにも賢治は14歳。そろそろ帰してあげた方がいいだろう。
残りはまだ会議室にいるであろう彼らに聞けばいい。
賢治くんに別れを告げると私は勢いよく会議室の扉を開ける。
「っほら、いつまでもダラダラしてないで帰るわよ。支度しなさい。」
「おおAさん!おかえりなさい!」
「はは…お疲れ様です…」
「っ……」
そこにいたのは男3人。
太宰くんはいつもと変わらぬ様子で私を迎え、
谷崎は疲れたように笑っていたわってくれ、
最後の1人、国木田くんは何もいわず机に突っ伏していた。
67人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朝希 緑 - 素敵な作品です!揺るがない国木田くんwww (2016年9月9日 7時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まちか x他1人 | 作成日時:2016年6月19日 11時