十八、 ページ20
ーーーーー、
「…そういえば、敦くんは?」
社内をくるりと見回して、彼がいないことにふと気づく。
勿論、医務室にはいなかった。
「なんだ、いないのか。…ったくこの忙しい時に…」
「…」
…先程、爆発音が鳴り響いていたのを耳にした。
もしかしたらそれを見に行ったのかもしれない。
そう思い当たる。
国木田くんの言葉といい、この爆発といい、
「…変な勘違い、してないといいのだけど。」
そう思いつつ、いそいそと片付けをする国木田くんの手伝いを再開した。
…自分のデスクに手をつけ始めると、
何気なくぽんと置いてあるものでも他人には見て欲しくないもの、あるいは壊されては困るもの、
というのは結構あって。
いちいちそれを整理するのもなかなか骨が折れる。
私は小さな手帳ーーーーー丁度国木田くんがもっているようなーーーーーを手に取ると、そこに挟まっている2枚の写真に目を落とした。
1枚は探偵社設立当初の写真。
そしてもう1枚は私ともう1人ーーーーー
ーーーーー私の父であり恩人、夏目漱石が写っていた。
そう、社長のみが見ることの出来る社員名簿にははっきりと示されているのだ。
「夏目 A」、と
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朝希 緑 - 素敵な作品です!揺るがない国木田くんwww (2016年9月9日 7時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちか x他1人 | 作成日時:2016年6月19日 11時