十三、 ページ15
「ーーーあのー…Aさん?」
「なに?太宰くん?」
路地裏でのいざこざが終わり、
太宰くんが谷崎くんと敦くんを、私がナオミちゃんを背負って探偵社へと帰っている。
太宰くんはそんな時に、先程とは打って変わり言いにくそうに口を開いた。
「あの…ですね、さっきの話なんですけど。
驚かないんですか?」
さっきの話、と言われて、思い当たるのは一つだけだった。
先程、あの2人と別れる直前。
『然り、他の誰よりも貴方はそれを悉知している。
ーーーーー元マフィアの太宰さん』
「嗚呼…太宰くんが元マフィアだって話?
別に驚かないわよ。知っていたし。」
「えっ?」
素っ頓狂な声を上げた彼に少し呆れる。
気づかれていないと思っていたのか。
「ああまあ、探偵社で誰が把握してるかまでは分からないけどね。
国木田くんとかは絶対知らないし。」
真実を聞いて倒れる国木田くんが目に浮かびくすっと笑う。
「…最初から、分かってたんですか。」
「ええ。それでも信用して入れたんだから。
しっかり働きなさいよ。」
そう釘を指すと、
太宰くんはバツが悪そうにはーいと答えた。
…ああ、少し嬉しそうにも見えたな。
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朝希 緑 - 素敵な作品です!揺るがない国木田くんwww (2016年9月9日 7時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まちか x他1人 | 作成日時:2016年6月19日 11時