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十一、 ページ13

例の路地裏は案の定袋小路。

その奥では芥川と白虎ーーー敦くんが戦っていた。


まずは気づかれぬよう気配を消して、
重症を負った谷崎兄妹をこれ以上巻き込まれぬよう出口の方へ避けさせる。


そうしてから視線を戻せば、
丁度敦くんが芥川を壁に叩きつけたところだった。

それを見た一葉が銃に手を伸ばす。

「やめときなさい、一葉。
貴女じゃ手に負えない。」

銃を取りあげながらそう言うと、一葉は驚いたようにーーー否、驚いて私を見た。

「なっ?!A?!」


…一葉とは前に一度戦ったことがあり、その時にまあ…色々あった。

だからこそさっき、彼女の名前を聞いて探偵社を飛び出して来たのだ。


「貴様っ何故ここに!戦闘要員ではないだろう!」

「生憎、部下の危機に黙っていられる性分でもないのよね。」

「くそっいつも邪魔ばかり…!」



私たちのそんな会話を余所に戦闘は続いていて、

…谷崎兄妹を守らねば、と一葉のところを離れた時だった。
虎の標的が切り替わったのは。

ギロリと一葉を睨みつけた白虎はそちらへ飛びかかる。

「何をしている樋口!」

そう叫んだ芥川が能力を発動する。



ーーーーーーーー拙い。



……頭よりも先に体が動いた。

私の元から黒い影が一直線に駆ける。


その影は、一葉と虎の間に入り、クッションのように白虎を受け止め
そして同時に羅生門を引き裂いた。

「なっ…?!」

声にならない声を一葉が上げた。

私は咄嗟に谷崎兄妹の方を確認するが、二人とも気を失っている。
見られていないーーー良かった。


白虎は影をトンっと蹴り、芥川と飛びかかる。


羅生門と月下獣が再びぶつかろうとした時、

「はぁーい、そこまでー」

この場に合わないのんきな声が響いた。


太宰くん…遅い…。

十二、→←十、



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朝希 緑 - 素敵な作品です!揺るがない国木田くんwww (2016年9月9日 7時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まちか x他1人 | 作成日時:2016年6月19日 11時

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