◎ ��《 sh side 》 ページ1
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sho side
Aの部屋の前を通るたびに、言えてないことが溢れ出てきそうになる。いつになったら本当のことを言えるんだろう。
今更会って、言おうとしたって、あいつはもう、廉と……
ガチャ……
「……え、」
『あ……』
おい、まじか……俺としたことが……！
またAと出会した。てか偶然が過ぎねえか？
何回目だよ、この偶然。罰悪そうに玄関から出てきたAは怪しむように俺を凝視してる。
『いや！ちげーよ？！』
「なにが？」
『たまたまな？！今たまたま、ここ通って、！』
「なに慌ててんの？笑」
笑った。Aが笑った。
久しぶりに見たわ、こいつが笑った顔。
やっぱ好きだ。
『会いに行くの？、廉に』
「……コンビニ行くだけ。……え、なんで廉くんの名前知ってるの？」
やっべ！どうしよ。廉とか呼んじまった！
『……いや、この前言ってたじゃん！会社の後輩だって』
「名前まで言ったっけ？」
『言った』
「そっか……」
やベー。バレてない？大丈夫そう？……大丈夫だな。 なんか普通に会話してるけど、この流れで言っちゃう？いやいや、無理だ。……でも、別れたことは言っておきたい。
「……じゃあ、行くね」
『……あのさ、』
「ん？」
何食わぬ顔で俺を見つめるAに。
『……俺、別れたよ』
「……え、 …」
ドアノブに添えられていた手が下に降りた。
唖然として、声も出ないか……
『……だから、なんつーか、こうして偶然とかじゃなくて、』
「…………」
『……会いたいときに、 会いに行ってもいいかな』
「……うん」
小さく領いて、了承してくれたことに喜びが溢れた。
このまま、この幸せを持ち帰りたい。……今は、これ以上は望まない。
『じゃあ、そんだけ。……またな』
「……また」
その場から動かないAをよそに、俺はAに背を向けて歩き出す。
あいつが今どんな気持ちで俺を見てたなんか知らない。
……ただ、少しずつ何かが変わろうとしていた。
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mana(プロフ) - 完結、おめでとうございます！！まさか廉くんハッピーエンドバージョンもあるなんて、驚きました！嬉しいです( ´∀`)正直、どっちも好きです笑また、新作も楽しみにしてますね。(*´∇｀*) (2021年3月6日 23時) (
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年2月25日 21時
