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56話 ページ6

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午後の練習は、半分上の空だった。




どんな言葉なら、ブン太先輩へのこの気持ちを表せるんだろう?


どんな風に言えば、この気持ちの強さは伝わるんだろう?


想いは次から次へと溢れてきて、言葉がいくらあっても足りない…。




そんなことばかり考えて、時間は刻々と過ぎていく。


そうしていつの間にか、ブン太先輩との待ち合わせ時間は間近となっていた。


柳生先輩と夕食の後片付けをしながらも、頭は告白のことでいっぱい。


時間が近づくにつれて心臓の音はどんどん大きくなっていく。




…バクバクする…


手も…震えてきちゃった…


やだ…どうしよう…落ち着かなきゃ…




ガシャーン



A「わぁっ!ご、ごめんなさい!」



割れた皿の破片を急いで集める。


イタッ……



柳生「大丈夫ですか??指は切ってないですか?」




…先輩の予想的中…。


人差し指が大きく切れて、血が溢れてきていた。



A「ごめんなさい…指、切っちゃいました…。
急いで絆創膏取ってきます!すぐに戻ります!」



柳生「急がなくても大丈夫ですよ!転ばないように気をつけて」




柳生先輩の言葉を背中に受けながら、私は走った。




私、だめじゃん。


こんな公私混同なんてほんとダメ!


早く手当てして戻らなきゃ。




私は急いで救急箱を開けて絆創膏を探した。




あれ…ない?


ううん、そんなはずはない。


合宿前にちゃんと補充しておいたもん。




私はなおも救急箱をひっくり返して探してみる。


すると、ポロリと絆創膏の箱が転がり落ちた。


あった!


絆創膏をペトペトと貼り付ける。


これでよし、と…。


救急箱を片付けて、立ち上がろうとしたその時、部屋に足音が響いた。


誰だろ…?




菜々美「なんですか?呼び出しなんて」




菜々美ちゃん……?




仁王「…県大会の時に来てたあの男…付き合ってんのか…?」




え…仁王先輩……?




菜々美「せ、先輩には関係ありません!」




……出損ねちゃった……



こんな深刻そうな話、聞いちゃマズイ…。



盗み聞きみたいでヤダ…



どうしよう……




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となみ - 彩さんの全作品、読ませていただきました。どの作品も、お互いを大切に想い合う気持ち・思いやりにあふれており、また常に前向きな姿勢が読んでいて心地よかったです。ブン太のお話、いつか続きが読めたら嬉しいです。これからも頑張ってください。 (10月11日 21時) (レス) @page26 id: e6430f453c (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 彩さんこんばんは。返信遅れてしまいすみません。続きを書いてくださるなんて!とても嬉しいです!楽しみに待ってます!体に気をつけてください! (2022年2月4日 19時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます!時間が空いてしまいましたが、続きを書いてみようかなって思います。 (2021年12月12日 11時) (レス) id: 0d6668a6df (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - とても素敵なお話です!続きがあったら読みたいです! (2021年5月16日 18時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 瑞稀さん» 瑞稀さん、嬉しいコメントありがとうございます!レスとんでもなく遅くなってごめんなさい(>_<) (2018年7月7日 23時) (レス) id: 64226139fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年7月30日 20時

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