66話 ページ16
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菜々美ちゃん…どうするんだろ…？
仁王先輩には何があったんだろう…？
なんでそんなに頑なに菜々美ちゃんの気持ちを受け入れないんだろう…？
って、私が考えたってどうこうできる話じゃないけど…。
でも…でもさ…。
そんなことをぼんやり考えているうちに、気づけば部長の病室に辿り着いていた。
扉を開けようとしたその時、ふいにあの電話での深刻そうな部長の声がよみがえって、胸の中に不安が広がった。
なんだろ…嫌な予感がする…。
意を決して扉を開けた。
A「部長、入りますよ」
部長の返事はなくて、ベッドはもぬけの殻だった。
嫌だ…。
なんでこんなに不安なんだろ…。
私は病室を飛び出し、病院中を駆け巡った。
最後に訪れた屋上に、部長はいた。
遠くを見つめるその瞳に正気は感じられない。
A「部長…」
幸村「あぁ…、合宿帰りに悪いね…」
A「いえ…」
幸村「今日はこの日誌を返そうと思ってね。 もう俺には必要のないものだから。 君ももうここに来なくていいから」
そう言うと、その空っぽの目をしたまま、ぽんと日誌を私に押し付けると、扉の方へ歩き始めた。
A「部長……！！」
幸村「俺はもう部長じゃないよ」
A「どういうことですか…？ 辞めるって言うんですか…？」
幸村「テニスができないテニス部の部長なんてありえないだろ」
A「…え…？」
幸村「俺は…俺はもう…できないんだよ…」
A「でも…わからないじゃないですか！ 治るかもしれないじゃないですか！ 諦めるのはまだ…」
幸村「やめてくれないか！ そんな気休めなんか聞きたくないんだ。 もう忘れたいんだよ…テニスのことなんか…。 早くそれを持って消えてくれないか！」
部長はそうまくし立てた後、ドアの向こうに消えた。
あんな部長見たことない…。
本当なの…？
本当に部長はもうテニスできないの…？
なんで……そんなの嘘だ……絶対嘘だ……
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となみ - 彩さんの全作品、読ませていただきました。どの作品も、お互いを大切に想い合う気持ち・思いやりにあふれており、また常に前向きな姿勢が読んでいて心地よかったです。ブン太のお話、いつか続きが読めたら嬉しいです。これからも頑張ってください。 (10月11日 21時) (
レス) @page26 id: e6430f453c (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 彩さんこんばんは。返信遅れてしまいすみません。続きを書いてくださるなんて！とても嬉しいです！楽しみに待ってます！体に気をつけてください！ (2022年2月4日 19時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます！時間が空いてしまいましたが、続きを書いてみようかなって思います。 (2021年12月12日 11時) (レス) id: 0d6668a6df (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - とても素敵なお話です！続きがあったら読みたいです！ (2021年5月16日 18時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 瑞稀さん» 瑞稀さん、嬉しいコメントありがとうございます！レスとんでもなく遅くなってごめんなさい(>_<) (2018年7月7日 23時) (レス) id: 64226139fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2015年7月30日 20時
