32話 ページ32
〜5年後〜
私は、無事医療専門学校を卒業し、医療系国家資格を取得して、4月からアスレティックトレーナーとして働いていた。
専門学校は、持ち前の生真面目さで、上位の成績で卒業したものの、実践はまた異なるもので、仕事は、勤め始めてから半年が経った今、ようやく少し慣れてきたところだった。
帰り道、ふと通りがかった本屋に立ち寄る。
今月発売のテニス雑誌をペラペラとめくると、そこには周の姿があった。
周はすでに世界で活躍するトップ選手になっていた。
こんな風に誌面を通して見ると、周はもうずっと遠いところにいってしまったように感じる。
でも、私たちの関係は続いていた。
周はトップ選手になり、その実力と端麗な容姿で、各方面から注目を浴びているにもかかわらず、内面は昔と変わらず、優しく、穏やかな周のままだった。
周はプロに転向して、ある程度実績を積むと、結婚を示唆する言葉を何度か口にした。
私にはもちろん、夢のような言葉だった。
でも、それではこれまでの4年間、遠距離を我慢して頑張ってきた意味がない。
周の役に立てるようになりたくて、この道を目指したのだから…。
私は周に、学校を卒業して就職するまで待ってもらえるようにお願いしていた。
気づけば、就職も果たし、約束の時がきていた。
これだけ離れていると、たとえ約束していたとはいえ、何が起こるかわからない。
もう周にはその気はなくなってしまっているかもしれない。
でも…忙しい中で周が贈ってくれる言葉は、いつも愛情に溢れていて、どこかで期待してしまう自分がいた。
そんな期待しちゃダメだな…。待たせちゃったんだし。
そう思いながら、私は自宅である小さなアパートに帰った。
シャワーを浴び、小さなソファに腰を下ろす。
帰りに雑誌で周の姿を見かけたのが引き金となって、懐かしくなり、昔のアルバムを取り出した。
そこには、かわいらしい周と幼い自分の姿があった。
こんな頃から、私は周だけを想い続けてたんだな…。
地球の反対側にいる人との長い長い遠距離恋愛。
よくもまぁ続いたものだな、なんて思い出に浸っていると、突然携帯がブルブルと震えた。
こんな時間に誰だろ？と思って開くと、周からのメールだった。
それは私の実家の裏の丘に来て欲しいというものだった。
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彩(プロフ) - 亜弥*さん» こんな嬉しいコメント、泣きそうです！どうもありがとうございます！！！頑張ります！！ (2015年8月23日 21時) (
レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - とっても感動しました。読み終えて立つと足がガクガクしてあまり立てませんでした。途中はどうなるかと思いました。これからも頑張って下さい。 (2015年8月23日 13時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - りらさん» りらさん、3作品にもコメントくれてありがとうございます！！(*^_^*) (2015年1月22日 7時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
りら - こんにちは。前作とっっっても感動しました！！！！これからも頑張ってください！ (2015年1月19日 1時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 林道さん» 林道さん、気分を害なんてとんでもない！こんなに丁寧に読んでいただいて、細かいアドバイスまでいただいて、感激です！どうもありがとうございました。最近なんだかうまく書けないのですが続けて書いて行こうと思います！ (2015年1月16日 23時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2014年7月13日 0時
