26話 ページ26
季節は流れ、涼しい風が吹くようになった頃、周が目指してきた全日本選手権が開幕した。
あの事故の日からなんとなく避けてしまっていたコート。
この広々としたコートを見ると少し胸が痛む。
そんな胸の痛みを抑えて、コート上の周を見つめる。
コートの中の周は、相変わらず本当にかっこよかった。
周のプレーは優雅で華麗で思わず釘付けになる。
周のプレーを見るといつも私が最初に恋に落ちた瞬間と同じように胸が高鳴る。
周は宣言どおり勝ち進み決勝へと進んだ。
決勝戦、序盤は相手の粘りに苦しめられたが、後半ミスのない手堅いストロークと華麗なカウンターで丁寧にコースを打ち分け、相手を振り回した。
終始主導権を握ってプレーした周は、史上最年少で優勝を勝ち取った。
それは誰もがコートに夢中になった本当に見事な圧倒的な試合だった。
A「周、おめでとう！！本当にやっちゃったね！すごいね！」
不二「ありがとう。でも、これはまだ中間地点に過ぎないからね。まずは一歩を踏み出したってところかな。」
すごいな…。周。本当にどんどん進んでいく。夢にどんどん近づいていく。
私、やっぱり周のプレーしている姿が本当に本当に大好きだ。
この姿をずっとずっと見ていたい。
周が世界に上りつめていく、その姿を見ていたい。
どういう形でもいい、私は周の夢を支えたい。
それが私の願い…。
そのとき、私の目の前で何かがはじけたような気がした。
『それが私の願い』
そうなんだ…それが私の一番の願いなんだ…。
私は周の一番近くで、周がテニスで上りつめていくその姿を支えたい。
周の夢を一緒に叶えたい。
周の力になりたい。
それが私の願い。それが私の夢。
今までもう何度も何度も思ったことなのに、なんで気づかなかったんだろう。
こんなにも身近に答えはあったのに。
でも周の夢を支える一番の方法は何？
どうしたら周の力になれるんだろう？
きっとそこに私の新たな目標がある。
A「周、私、少し道が開けた気がする。私の中の一番大切なもの、譲れないものが見つかった気がする。その方法がまだ見つかってないけど…。」
不二「急にどうしたの？」
A「周の試合見て気づいたの。それは今までも何度も思ったことだったのになぜか今まで気づかなかった。
私の夢は周の夢が叶うこと。周の夢を支えること。一番近くで周が夢を叶えていくのを見届けることなんだって。」
不二「A…。」
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彩(プロフ) - 亜弥*さん» こんな嬉しいコメント、泣きそうです！どうもありがとうございます！！！頑張ります！！ (2015年8月23日 21時) (
レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - とっても感動しました。読み終えて立つと足がガクガクしてあまり立てませんでした。途中はどうなるかと思いました。これからも頑張って下さい。 (2015年8月23日 13時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - りらさん» りらさん、3作品にもコメントくれてありがとうございます！！(*^_^*) (2015年1月22日 7時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
りら - こんにちは。前作とっっっても感動しました！！！！これからも頑張ってください！ (2015年1月19日 1時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 林道さん» 林道さん、気分を害なんてとんでもない！こんなに丁寧に読んでいただいて、細かいアドバイスまでいただいて、感激です！どうもありがとうございました。最近なんだかうまく書けないのですが続けて書いて行こうと思います！ (2015年1月16日 23時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2014年7月13日 0時
