13話 ページ13
ー不二sideー
束の間の楽しいひと時が過ぎ、英二、奈津ちゃんと別れ、Aの家へと歩き始めた。
中学生の時、何度も二人で歩いた道。
懐かしい感覚。
気づけばあれから3年が経つ。
少し景色が違って見えるのは、建物が建て替わったからだけじゃない気がする。
不二「Aの家の裏の丘、ちょっと寄って行かない？」
A「うん」
不二「昔から、なんかここ好きなんだ。Aの家の光が少し見えて。空気が澄んでて星がよく見える。」
A「うん。私もここは昔から大好きな場所。色々悩んだりすると、ここに来てこうやって横になって空眺めてた。」
Aは、ふわふわした芝生に身体を預けて大の字になって空を見上げた。
ほんの少し涼しい空気がサラサラと頬を撫でた。
A「夏の匂いがするね」
不二「うん」
目を閉じて、空気を吸い込むAを見つめる。
Aは、何度こうして、この丘で悩みを解決して来たんだろう。
ふと、遠距離を乗り越えて、こうしてお互いの気持ちが離れずにいることが、奇跡のように思えた。
不二「A、どんなことがあっても一緒にいよう。」
Aは驚いたように僕を見て、
A「急にどうしたの？」
と言ってクスッと笑った。
不二「ううん、なんとなく。」
A「うん、ずっとずっと一緒にいようね。」
そして僕たちはキスをした。
あの頃と同じように…。
僕はAを見送り家に向かった。
家の扉を開くと、慌てた様子で母が駆け寄って来た。
「周助！！今までAちゃんと一緒にいたんじゃないの？？」
まくしたてるようにそう言ったその顔は真っ青だった。
嫌な予感がする…。
不二「さっき家に送ったところだけど、何があったの？落ち着いて話して。」
「Aちゃんが…事故にあったって…今電話が…」
不二「病院は？どこ？」
「青春台救急病院…」
母の言葉も半分に、僕は家を飛び出した。
どうか、どうか、無事でいて…
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彩(プロフ) - 亜弥*さん» こんな嬉しいコメント、泣きそうです！どうもありがとうございます！！！頑張ります！！ (2015年8月23日 21時) (
レス) id: 42a026aa1a (このIDを非表示/違反報告)
亜弥* - とっても感動しました。読み終えて立つと足がガクガクしてあまり立てませんでした。途中はどうなるかと思いました。これからも頑張って下さい。 (2015年8月23日 13時) (レス) id: de645498d4 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - りらさん» りらさん、3作品にもコメントくれてありがとうございます！！(*^_^*) (2015年1月22日 7時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
りら - こんにちは。前作とっっっても感動しました！！！！これからも頑張ってください！ (2015年1月19日 1時) (レス) id: 22b58266a7 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 林道さん» 林道さん、気分を害なんてとんでもない！こんなに丁寧に読んでいただいて、細かいアドバイスまでいただいて、感激です！どうもありがとうございました。最近なんだかうまく書けないのですが続けて書いて行こうと思います！ (2015年1月16日 23時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2014年7月13日 0時
