97話 ページ47
ーAsideー
遂に夏の大会が始まった。
地区予選は順調に勝ち進み優勝、都大会では2年生ダブルスメンバーの負傷というアクシデントはあったにも関わらず、他の試合で挽回して優勝し、無事関東大会へと進出。
関東大会でも好戦を続け、準決勝まで進んだ。
準決勝の相手は、皮肉なことに昨年の関東大会優勝校。
私達は苦戦を強いられていた。
3年生ダブルス1が粘りに粘って勝ったが、2年生ダブルス2とシングルス3が負け、シングルス2の私の試合が始まる。
相手はサウスポー。全日本ジュニアのベスト8に入る強豪。
左利きとの試合経験が浅い私は圧倒的に不利な状況だった。
試合は厳しい展開が続き、5-2で相手側がリード。
私がこのゲームを落としたら、全国の夢はここで終わっちゃう…。
この試合はどうしても勝ちたい…！
私は今までの練習を思い返していた。
周や奈津、菊丸先輩と練習を積み重ねてきた。
やるだけやってきた。
あとは自分を信じて、諦めずにやり切るだけ…！
フゥッと息を吐き、心を落ち着かせてぐるりと見渡した。
その時、視界に、ここにいるはずのない周と英二先輩の姿が映った。
二人の手首には4人のお揃いのリストバンド。
周… … …！？
不二「A、大丈夫！自分を信じて！」
菊丸「Aちゃん！頑張れ！」
これまで何度も励まされた周の『大丈夫』という言葉。
周の言葉が、英二先輩の言葉がスーッと染み込んで、暖かい強い力が身体の奥底から湧いてくるようだった。
周からもらったラピスラズリのネックレスをギュッと握り、自分の手首にはめたリストバンドを見つめた。
深呼吸を一つ。そして、全ての思いをサーブに込めて放った。
身体が軽い… 今までに感じたことのない感覚…
どこにも余計な力が入らず、考えなくても身体が勝手に動いてベストなショットが繰り出されていく…
不思議な気持ちのまま、点差は縮まり、そして遂には逆転勝利を掴み取った。
やった… … …
最後は無我夢中で、身体が軽くなって、夢見心地になって、少ししか覚えてないけど、私、確かに勝ったんだ…。
苦しい試合を乗り越えた感動が、私の全身にじんわり広がり、身体が震えているのを感じていた。
奈津はそんな私の肩をぽんと叩きコートへ向かって行った。
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彩(プロフ) - めるさん» 読み返してくれるなんて！すごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2015年5月1日 4時) (
レス) id: 716556fc33 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - 彩さん» 今また最初から読み返そうと思ってます♪幸せに浸りながら(o^^o)私の苗字が春名で、親友がなっちゃんだったらいいのに〜なんて思っちゃうくらいです（笑） (2015年4月30日 23時) (レス) id: 80be7b12d6 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - めるさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです(*^_^*) (2015年4月30日 9時) (レス) id: 716556fc33 (このIDを非表示/違反報告)
める(プロフ) - とても面白いです！！かっこいい不二先輩にドキドキ…o(^▽^)o (2015年4月29日 23時) (レス) id: 80be7b12d6 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - りらさん» コメントありがとうございます(*^_^*)書いたお話で和んでいただけたなんてとっても嬉しいです(*^_^*) (2015年2月3日 8時) (レス) id: 1b761003cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩 | 作成日時：2014年6月21日 21時
