もしも、みんなとまた会えるなら

Quiet Talk 1-2 ページ8

え、本編以外の話挟むの早いって？

だって、すぐ挟むよって言ったもん。

◇◇◇◇◇

「小川天真。」

　四教科は返却が終わり、今は最後の教科である、理科の返却であった。

　四教科返却時点である現在は隣の席である小川が一位、ついで私。その次に大ちゃんこと横田大斗。小川に理科で90点以上取られると、私の学級一位はかなり危うくなる。

「何点だった？」

「……92点。」

　本人がおっしゃる通り、赤いペンで92点と記されてあった。……これは私の負け、かな？96点とか、取るの難しいし。あまりにも。
　まあ、勉強してなかったし、そもそも私が学級一位争いに出てくるとはクラスの半数は知らなかっただろうし、仕方ない、か。

　「佐倉暁架。」

　五組のトップクラスで一番返却が遅いのは今後も私。女子は必然的に出席番号が後ろの方になるから仕方ないのだけれど。ただ、私の点数が分かった途端にテストの推定順位が決まるのは、少し嫌かな。

　私は再生紙を貰い、恐る恐る、というわけでもないが、他人には見られないように点数を見る。

　“……嘘でしょう？”

　枠内に書かれていたレッテルは、あまりにも驚くようなものだった。

『98』

　喜びとも驚きとも言えない感情を持ったまま、私は席に着く。

「何点だ？」

　周りに聞かれるが、答えてもいいだろう。多分。というか、答えろ、っていう雰囲気だし。

「98点。」

　私の取ったその点数は、周りにいた人が驚いてしまうくらいの点数だったらしい。

　まあ、一教科くらいはこのくらい取れないと、私は叱られちゃうわけだから、普通、って感じ、かな？
　……多分。

続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している


←1-3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す