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『...これ、私と海人、のこと...?』

「...多分な」



『そっか。』


少し気まずそうな顔をしてから、Aはまた朝食を食べ始めた

「...」

ニュースをじっと見つめながら、俺は焼き鮭をひとくち口に入れた。


何故か、懐かしいような味がした









『ねぇ、さとちゃん。』

ご飯を食べ終わったAが口を開く。


「ん?」

『今更かも、しれないんだけどさ。海人のことはさとちゃんがやったの?』

「...そうだよ。」

『やっぱり...。そうだと思ってたよ。なんか変だったもん』

「マジ?上手くやったつもりだったけどな。



...この際だから言うけど、海人のことは殺したんだ」

『...うん、それもなんとなくわかってた。』


なんか変、なんとなく...か。曖昧だな

でもそれが当たってるんだよな。Aには隠し事とかしても無駄ってことだ


『それでも、私はさとちゃんが好きだよ。』




...

「俺もだよ。」


どちらともなく、俺達はキスを交わした









─────────────────────
「ごめんな、今日は外せない仕事があって...」

さとちゃんはこれから仕事に行くらしい。とても大事な仕事らしいのだ。

『うん、大丈夫。』

少し寂しいけど、帰ってこないわけじゃない。

家のカーテンは閉めてくれて、今日は特別にリビングにいてもいいと言われた



“インターホンを押されても、絶対に家のドアを開けないこと”



これだけは絶対守って、と念をおされた


「じゃあ、行ってきます。」

『いってらっしゃい』

私はさとちゃんがドアを開ける前にリビングへ戻った。

家を出ていくさとちゃんを、最後まで見つめることは出来ない。開けたドアの隙間から私が見えてしまうかもしれないから...。


『...っ』



これは、犯罪。こういう小さな行動でそれを思い知らされる。私達を暴こうとする世間が嫌いで、悲しかった。



...ほっといてよ。

そう思っても、カーテンの向こう側からはこの前より多い人々の足音が不安気に聞こえるだけだった


テレビはつけずに、ただボーッとソファーに寝転んでいたお昼頃。




『っ!?』

窓を荒々しく叩く音がした。

『(え...な、何...。)』

思ったことは声には出なかった。外に聞こえるかも、と少し警戒したのだ。





...バレた?

どうして...必死に考えていると、




ピンポーン...




『...っ』









“インターホンが鳴った”

───→←第三部 ー二人暮らしー



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unknown - 深い…素晴らしいですね。 (2022年5月10日 18時) (レス) @page18 id: 0556fb53c6 (このIDを非表示/違反報告)
つづら(プロフ) - 最後をプロローグにしたのには意味があって...。ここからまた物語が繰り返す、始まる、という意味でプロローグと使わせていただきました。お読みいただきありがとうございます!(*´ω`*)説明不足ですみませんです... (2019年9月28日 8時) (レス) id: 1c9a6237c3 (このIDを非表示/違反報告)
歩和莉です - いいお話だ...どこか切ない感じがしますね...   .......大変恐縮なのですが、最後はプロローグよりもエピローグの方がいいかと... .(点)が多くてすみません! (2019年9月28日 7時) (レス) id: c6c731989a (このIDを非表示/違反報告)
つづら(プロフ) - ありがとうございます。更新長らくしていなくて申し訳ないです...。近い内に書ききりたい...(;・ω・) 頑張ります! (2019年9月22日 23時) (レス) id: 1c9a6237c3 (このIDを非表示/違反報告)
エネル - 終幕...。泣きそうです、この後の展開も気になります!頑張って下さい...! (2019年9月22日 23時) (レス) id: c05bdcfc8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つづら | 作成日時:2019年8月10日 20時

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