第一部 ｰ監視ｰ ページ2
学校が終わって、家に帰る途中...
あぁ、まただ。
また誰かの視線を感じる...。
自意識過剰？そんなことはないはず、それとも本当に勘違いなの...？
数年前から同じ様な事が何回もあり、今もなお続いている。
『勘違いだと、いいけど...。』
もう一度振り向き、誰もいないことを確認してから私は家のドアを開けた。
────────────...
『ただいま〜...』
声は帰ってこない。私の親はいつも帰りが遅いのだ
『あーあ、宿題めんどくさいな...とりあえずアイス食べてからにしよっと』
学校では目立つキャラではないし、かと言っていつも隅っこで本を読んでる訳でもない
普通。
勉強は...まぁまぁだな、今年受験だしそこまで出来ないわけではないけど
普通。
運動も...出来ないことはない。まぁまぁ、かな
ごくごく普通。
特別できる事なんてない、むしろ出来ないことの方が多い位だ
考え事をしながら食べていたアイスはいつの間にかなくなっていた。
『宿題やるかぁ...！』
めんどくさくて仕方ないけど、やらなきゃいけないもんね。
嫌がる体を動かし、私は自分の部屋へ向かった
私の家は2階建てで、私の部屋は一番奥の部屋。
ここはよく日光が入り、冬はなんとなく暖かいけど夏は暑い
『あっつ〜...』
エアコンの温度を18度に下げる。省エネとか、したいけれどそれで熱中症にでもなったら大変だ。
ふと窓の外を見てみると、あの人がパソコンを忙しそうに打っていた
『おーーい！！』
私は窓を開けて叫んだ。
私の声に気づいて、窓を開けて手を振ってくれるのは4年前に向かいに引っ越してきた里川さん...通称、さとちゃんだ。
『今日の宿題難しいの！！教えてーーー？？』
さとちゃんは少し考えてから、OKと手で輪っかをつくっていた
『やったー！！』
駄目、と言われてしまう事が多いけれど...今日はOKらしい。
着替えを済まし、エアコンは付けたままにして家を出た
ピンポーン...とさとちゃんの家のインターホンを押す
はーい、と家の中から声がした
「よっ、A！家に来るのは久しぶりだなー」
模様替えしたんだー、と話すさとちゃんはいつも笑顔だ。
そんなさとちゃんが、私は大好き。
きっとさとちゃんは、そんな風に思ってはないんだろうけど...。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
unknown - 深い…素晴らしいですね。 (2022年5月10日 18時) (
レス) @page18 id: 0556fb53c6 (このIDを非表示/違反報告)
つづら(プロフ) - 最後をプロローグにしたのには意味があって...。ここからまた物語が繰り返す、始まる、という意味でプロローグと使わせていただきました。お読みいただきありがとうございます！(*´ω｀*)説明不足ですみませんです... (2019年9月28日 8時) (レス) id: 1c9a6237c3 (このIDを非表示/違反報告)
歩和莉です - いいお話だ...どこか切ない感じがしますね... .......大変恐縮なのですが、最後はプロローグよりもエピローグの方がいいかと... .(点)が多くてすみません！ (2019年9月28日 7時) (レス) id: c6c731989a (このIDを非表示/違反報告)
つづら(プロフ) - ありがとうございます。更新長らくしていなくて申し訳ないです...。近い内に書ききりたい...(；・ω・) 頑張ります！ (2019年9月22日 23時) (レス) id: 1c9a6237c3 (このIDを非表示/違反報告)
エネル - 終幕...。泣きそうです、この後の展開も気になります！頑張って下さい...！ (2019年9月22日 23時) (レス) id: c05bdcfc8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つづら | 作成日時：2019年8月10日 20時
