女だからと言わせない。〜新･信長公記〜

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派手な格好をして長い棒をもってる、犬みたいな男の子がしゃがんで私の顔を覗いていた

『なんでもない』

「何でもなかったら泣かねぇじゃろう。初対面だから言えることだってある、言ってみぃ」

そう言って優しく包み込んでくれた

一定の優しいリズムで背中を叩いてくれるその暖かさにまた涙が溢れた


『私、お父さんとお母さんいなくなっちゃったの。事故で、だから毎日不安で仕方ないの。中学校は友達はいるけど大半は離れちゃう』

「そうか、辛かったな」

聞き上手な目の前の男の子のことをもっと知りたくなった。

そこからが始まり


それから光秀と元就も混ざって遊んだ

2人が初めましての時にぎこちない感じがしてるのが面白くて利家と腹を抱えて笑った


その町のガキ大将の利家と元就はどこにいっても噂になった、道を通れば色んな子供が｢利家さん！｣とお菓子を沢山くれた。ついでにガキ大将の隣にいる女として私も崇められていたので、家に帰る頃には手には溢れんばかりのお菓子たち。


犬に似てるから犬千代と呼んでた時期もあったけど、直ぐに辞めさせられた、恥ずかしいらしい

面白くて楽しい友達ができた

ずっと続いて欲しかった時間は、中学になってからは変わった
光秀とは同じ学校だが、2人とは別々。

また会おうね、と約束してしっかり会えてるのだから凄いものだ

高校決めた時に光秀にサラッと2人も一緒だよと言われた時は腰を抜かした

嬉しい気持ちでいっぱいになった。成長した自分を見せれると思ってた、けどまた泣いてる

変わらず優しく抱きしめてくれる。

変わってなんかないのかもしれない



『利家は、いつも慰めてくれるね』

「A限定。」

『ふは、元就にもしてあげなよ』

「絶対いやだ！！」

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