女だからと言わせない。〜新･信長公記〜

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次の日武田は来なかった。


さすがにあの傷でこられたら、妖怪かなんかだと思う

クラスは徳川くんが怖くて、みんな縮こまってる


『息苦し、なんやねんこの学校…私は恋人とイチャイチャとかしたいだけやねんけど…』


思ってることが口に出てしまい、思わず口を抑える


前田「…恋人欲しいんや」

利家は驚いた顔でこちらを見てきた。こいつは私をなんやと思ってたんや

『そりゃ、欲しいよ…デートとかしてみたいし』

ふと隣を見たらガンギマリの光秀がこちらを見ていた


『なに！！！？？』

びっくりしてイスから落ちてしまった

明智「…なんでもない」

『なんかはあってくれや！』

くくく、とみんな下を向いて笑っている

ズボンで良かったと思わせる体勢

上杉「Aその体勢やめなさい」

『したくてしてる訳じゃないのに』

床に打ち付けて痛い腰を持ち上げ、また椅子に座り直す

前田「あはは、大きくコケてたな」

『笑うな』

他人事だと思いやがって…利家め！！


ガラガラという音がなり、クラスの視線は一点に集まった

『武田、？』

動いたらあかんやろ、と思うボロボロ具合

みやび「もう学校に来ても大丈夫なのですか？」

そんな言葉は無視していつもの定位置に松葉杖を置き座る武田

徳川「まだ生きてたのか」

『徳川くん…』

あの日から、私も恐怖に支配されてる1人である


徳川「おいゴミ」

徳川くんは武田が大切にしてる風林火山の布を取りだし、足を磨けと言い出した


『さすがにそれは…』

私もプライドは高い方やから、武田の気持ちはよく分かる


隣で座っていた光秀が走っていった

『光秀…』

昔の光秀と重ねるところがあり、悲しくなった

明智「家康くん、僕が綺麗にするよ。僕強いひとに憧れてて家康くんと友達になれたらなぁって」


井伊「家康に媚びやがった…」

あれは、媚びてるんじゃない。

守ったんだ。光秀なりの優しさ。

徳川「明智ぃ…」

明智「何？」

にっこり笑って光秀は答えた

その瞬間徳川くんは光秀を蹴りあげた

『光秀！！！』

徳川「ゴミの分際で下品な笑顔を浮かべよって」

怒りメーターがすごいスピードで上がっていく


握りしめた拳を振りあげようとした時、光秀にそっと腕を掴まれた

明智「ご、ごめんなさい！」

光秀は今の私じゃ勝てないことを分かってて守ってくれた…。
昔から何かと守られてばかりじゃないか。
私は何ができるんだ。

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