私 ページ5
目が覚めると、隣にジヨンがいる。
私を見てニコッと笑うジヨンは出会った頃のまま。
有名人になっても私と何も変わらず接してくれるジヨンがそこにはいた。
テレビからは、英語しか聞こえない。
私は、英語はそんなに得意ではない。
｢あ、もしかして今日スコール降るかもな。｣
｢そうなの？｣
｢ああ。カラッと天気だから、スコール降って涼しくなるみたい。｣
何を話してるのかも分からない私に、ジヨンはさり気なく通訳してくれる。
そういう所…
きっと女子は弱いと思う(笑)
何気ない気配り。
何気ない会話。
なにげない空間。
私にはとても贅沢な時間。
ジヨンは、再び仕事を始めたから私は邪魔をしないようにベランダから海を眺めていた。
照りつける陽射し。
けれど吹いてくる風はとても涼しくて気持ちいい。
波の音、ビーチで遊んでいる子ども達海辺を歩いているカップル。
ここにいる人達みんな幸せそう。
ジヨンとあぁやって遊びたい？
あぁやって歩きたい？
ううん。
私は、ジヨンと友達でいられるだけで幸せ。
もうすぐ陽が沈む。
どこかで花火の音が聞こえた。
きっと、もう少し暗くなればここから見えるはず。
｢ジヨン？｣
私は、ベランダからジヨンを呼んだ。
｢ん？｣
｢今、花火の音が聞こえたんだ。｣
｢そっか(笑)｣
ジヨンは、ベランダから身を乗り出して周りを見渡している。
｢結構高いな(笑)｣
｢ね？(笑)｣
｢ライブん時もさ、観客を上から見下ろす事あるけど。あん時とは違う爽快感だなぁ。｣
｢高い所が大丈夫じゃなきゃ無理だよね(笑)｣
｢あぁ。初めはビビったよ(笑)ここで、歌って踊るの？！って…けど、上からたくさんのペンライトの光を見ると俺達を見に来てくれてる人達がこんなにもいるんだ！ってすげぇ自信に繋がるんだ。｣
仕事の話は最近ほとんど聞いた事なかったけど…
ジヨン。
本当にいい顔してる。
仕事が好きなんだな。
｢なんだよ？｣
｢ううん(笑)｣
｢そう。｣
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作者名：ニィチャ | 作成日時：2018年6月25日 23時
