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「こらっ!会社ではそういう接触は禁止!」

「無理!」


間違いなく赤くなっている頬を両手で押さえる。


「うわっ。やばっ。かわいっ。」

「見ないでください。」


先輩が後ろから覗き込むから、とても恥ずかしい。それに近いし、ドキドキしちゃう。


「ダメだ。そういうことならお前の秘書から解任するぞ。」

「やだね。だったらA引き抜いて会社作るもーん。」

「お前なあ…。」

「俺は母さんみたいに専業主婦にはしたくないの。四六時中傍にいたいの。」

「しかし、」

「父さんだって見てたでしょ?Aの仕事ぶり。公私混同なんてしなかったでしょ?仕事好きだし、なにより仕事出来るし。そのAから仕事取り上げろって?」

「そんなこと言ってないだろう。」

「分かるでしょ?俺20代の健全男子。少し位許してよ。そうだなあ?3ヶ月位。俺がどんだけ帰って来れなくて、どんだけAが休みないか親父がよーく分かってるじゃん。俺ら会えてたと思う?」

「いや、それは、まあ、」

「で、実家には帰んないから。今日からAんとこ行って、近いうちにちゃんと2人の新居探すから。」

「え、ダメですング。」

「ちょっと黙ってようね。」


コソッと言われて口は先輩の手で覆われてしまった。
退けようとしてもビクともしない。


「まあ、Aちゃんも寂しかっただろうし、仕方ない。」

「うっし。」

「お言葉ですが、そういうところですよ、旦那さま。」

「分かってる。分かってるんだけど…。」


先輩、全然手を退けてくれない。
なんかおかしなことになってるし!


「じゃ、俺らは新しい執務室の見学に行くから!」

「では、」

「あ、直己さん大丈夫。鍵はほら。もうあるし。」


ピカピカのカードキーが目の前にかざされる。


「邪魔、すんなよ?」



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作者名:ガヤキティ | 作成日時:2017年10月5日 22時

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