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「社長、本日の予定ですが、」

「ああ、今日はAくんは帯同しなくていいよ。」


え?


「と言うより、本当は出したくないんだがね。」


社長は何かを言いかけて、そして何やら難しい表情で応接用のソファに腰掛けた。社長は暫く思案顔で、宙を眺めている。珍しい。人前では絶対にしない表情。


「はぁ…。決まったことだ。仕方がない。」


どうしたものかと控えていると、社長がこちらに向いて、「Aくん、座りなさい。」と、仰った。しかし、応接用のソファに座るのは気が進まない。けど、社長が仰ってる訳だし、と二の足を踏んでいると、「いいから、気にせずに座りなさい。」と促された。


「失礼します。」


ああ。なんて座り心地が良いのだろう。このソファに座ったのは、秘書課に辞令が出た日。突然の辞令に驚いたのも束の間、社長秘書だって言うんだから来た夢でも見ているのかと思った。



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作者名:ガヤキティ | 作成日時:2017年10月5日 22時

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