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昔のお話6 ページ6

部屋に戻ってからも空気は重いままだった。
隅にある私のベットに2人で腰掛ければギィっと軋む音がした。


「あはは、しぬのは私ね」


こんな時でさえリリーは笑って言った。


「この中じゃ私の能力が1番使えない。それに体術だって下の方...奇跡が起きない限り無理よ」


尚も笑い続けるリリー


「キティはダントツ1位ね!幹部になれるわよ。そしたらご飯もいっぱい食べれるようになるし…いい事づくめね」


優しく頭を撫でる彼女に私にはなんて言えばいいのか分からなかった。


『わ、私の稼ぎをリリーに分ければ何とかなるよ!』

「そんな事...」

『できる!私なら2位の倍以上稼ぐ事ができるもの。』


私の提案を断ろうとするリリーを無理やり説得し、その計画を実行することに決めた。その時は他の誰かが最下位になる事など考えず、ただリリーに助かって欲しい一心で...。


それから毎日盗みを働いた。街の宝石店から大きな美術館まで、思いつく限りの場所へ行った。捕まりかけたことも、撃たれた事もあったが彼女が助かるのなら何だってよかった。


そうしてあっという間に3ヶ月は過ぎ結果発表の日を迎えた。

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作者名:ゆとみも。 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年7月22日 12時

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