腐男子は見るだけで結構です【オリBL】

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高校に入学して教室に入った途端、絶望した。


前の席がまさかのあからさま過ぎるヤンキー。また、そのヤンキーによって周りも緊迫した空気になってた。




そんな緊張ばかりで疲れた一日をやっと終え、帰ろうとした瞬間問題の彼が物を落とした。





おいおい、拾っても殺されそうだし拾わなくても殺されそう。どっちを選んでも死亡ルートまっしぐらしかないじゃんか。

しかも落とした物が四角形でサイズ的に見慣れた感が何故かある。









「あのさ！！これ落とした………え」








やはり見覚えがあると思いきや、四角形の物体の正体はSMBLの表紙の漫画だった。
明らかに変態が読むやつやん。

ヤンキーは顔を青くし、目を見開いていた。


そんなヤンキーに俺は真顔で告げた。








『……俺、これのドラマCD持ってる』

「マジか。貸してほしいです」









互いに手を握る。
こうして、俺たちに友情が芽生えた。







そして、今も悪意があるのか前後の席。


ヤンキーみたいな見た目だけど、実際はアニメキャラに憧れてこの見た目にしたらしい。
彼は特に二次創作のBLをかなり好むようだ。








「ゆうきゅんがマジイケメン。抱いて……」









新しく出たグッズの絵を見ては早速そんなことを呟いている。その見た目で言うなよ。

これが日常。





そして、今に戻る。





彼とはかなり打ち解けて、今もこうしてからかったりするくらい。
軽く馬鹿にするように彼は笑って言った。








「お前、受け受けしいもんな」

『いや、俺は関係ない部外者だから』

「秋川先輩ってあのイケメンだろ？」








話聞けよ。そう思いながらも頷くと、太陽は目を輝かせ相変わらずの低い声で言う。








「秋川先輩みたいなタイプは絶対実はドSってパターンの攻めだろ。それでお前は気づいてないM」

『いーや、絶対秋川先輩は受け。イケメンでモテて経験数多そうだけど、実は0で攻められると、真っ赤になっちゃうやつだ』

「絶対攻めだ」

『受け！』









逆カプ民め。

しかも俺が受けとか想像しただけで吐くわ。





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