腐男子は見るだけで結構です【オリBL】

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昔から、俺は腐男子だった。




そんな腐男子の俺はクラスの奴らとは少し話す程度で、正直日常の会話は面白くなかった。



当たり前だ。少年ジャンフなどは読むが、みんなと違った方向で考えてしまうし、ゲームも全く違う系統。

適当に合わせていたけれどつまらなかった。









「……何これ？」

『うっわ、いいいいいや、何もない』









やばい。


腐女子友達から毎日図書室で交換してもらってるBL本を見られるところだった……。



しかし、彼にはまだよく見えていないみたいだ。
よし、これなら俺が腐男子だとバレずに済む！！









『って、勝手に見るな！！！』

「何でダメなの？」

『……え？』

「別に、俺はこういうの別に好いても嫌ってもないし、そんな焦らなくてもいいから」









少し、嬉しく思った。

嘘かも、お世辞かもしれない。でも、嫌がらずに普通に接してくれたことが嬉しかった。



初めて、クラスの中で気になるヤツが出来た。









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その日から俺はそいつと過ごした。



冷たい性格だったけど、俺の話もちゃんと聞いてくれて、毎日が楽しくて、平穏な日々。









「あのさ、あいつウザくね」

『え、誰？』

「あいつ」









そう言いながら、クラスの奴は俺の隣の席に目を移した。


隣の席、それは本当の俺を初めて認めてくれた大事な友人。









『そう？普通に良い奴だよ』

「そうか？なんか、あいつモテるからって俺らのこと見下してそー」









そんな訳ねえよ。


確かに、口数も少なく、冷たい感じの話し方だけど、誰よりも相手をしっかり思ってくれる。









「……俺、高校は別のところ行くから」

『えっ、ああ、頭いいもんな。でも、いつか離れるとは分かったけど、現実となるとなんか悲しいな』









いつまでも一緒にいれるわけがないに決まってる。


それなのに、胸が苦しい。
息も、苦しい。









『……好き』

「え？」

『あ、いや、この本！！』

「嘘でしょ」









見抜かれてつい『なんで分かった！？』と目を見開いて叫んでしまった。

そしてまた口を手で抑える。




こいつ、冷たい感じのくせに相手を気遣うから、きっと俺が納得することを言うまで質問してくるだろう。









『…………お前のこと』

「……俺？」

『いや、気の所為！！な、なんか、同人誌の読みすぎかも』









手を焦って動かしまくってしまう。


すると、目の前のやつは何故かクスリと笑い、言った。









「じゃあ、付き合う？」



『……マジか』








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